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2017-09-21 平成29年第3回定例会(第3日目) 名簿
2017-09-21 平成29年第3回定例会(第3日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2017-09-21
    2017-09-21 平成29年第3回定例会(第3日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
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    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、代表質問    前 野 義 春 君    松 田 浩 孝 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 代表質問 ◯議長(柴立鉄彦君)代表質問であります。  前野義春君に発言を許可いたします。    [前野義春君登壇](拍手) 3 ◯前野義春君 皆さん、おはようございます。  県民連合を代表して、代表質問を行います。
     さて、三反園知事は鹿児島出身ですから御承知でしょうけれども、小林副知事や寺田総務部長には余りなじみがないかもしれませんけれども、鹿児島には、運がいいことを「ふがよか」という言い方があります。この「ふ」という言葉は、鹿児島以外に熊本、宮崎、大分でも同様の意味として使われているとお聞きします。  私の地元の鹿屋のある長老の言葉をかりますと、昨年行われた知事選挙の結果に、「三反園さんは初当選して、ふのよか人じゃ」、そして知事就任早々、NHKの大河ドラマ「西郷どん」の放送が正式に決定したときも、「知事はふがよかもんじゃが」、そして今月初めの全国和牛能力共進会で総合優勝のニュースにも、「知事は重ね重ね、まこて、ふがよかなあ」という評価をお聞きしたところです。  この「ふ」の一文字ですけれども、鹿児島県民は、方言のイントネーション一つでさまざまな会話と意味を理解し合う、巧みなわざを備えています。その、ふのよい、運のよい三反園知事から明快な答弁を引き出し、ふのよい質問者になれるように、県民連合を代表して、通告に基づいて質問いたします。  まず、昨年七月二十八日に三反園知事が就任され、はや一年が経過しました。初の民間出身の知事として県民の注目度も高かったわけですが、知事にとってこの一年はどのようなものだったでしょうか。  この一年、知事は県内各地を訪問し、県民との対話を通して現状把握に努めてこられたと思いますが、当初抱いておられた認識と今とでは乖離や相違点があるのか、率直な見解をお示しください。  知事はマニフェスト等に、三万人規模のドーム球場建設アウトレットモール誘致を挙げておられました。ドーム球場では、プロ野球試合のほか、コンサートや各種イベントなどの開催で集客を図り、鹿児島にお金が落ちる、すなわち本県財政が潤うという試算をされたのだと推察いたします。しかしながら、新年を迎えたころから、ドーム球場やアウトレットモールが知事の発言から消えたように感じます。  そこでお尋ねいたします。  あれほど必死で訴えておられたドーム球場とアウトレットモールについては、知事のマニフェスト等に今でも位置づけしておられるのか。あるいは、困難としてマニフェスト等の見直しを考えておられるのか、お答えください。  県民との約束であるマニフェストについては、中長期的にわたり取り組むもの、大きな財政負担を伴うもの、あるいはゼロ予算で短期間で実現可能なものなどさまざまあると思いますが、知事は、この一年で御自身のマニフェストをどう総括されるのか、お答えください。  県政の課題は山積しております。優先順位をつけて県民の生活・福祉の向上のため進めていかなければなりません。もし、掲げたマニフェストの実現可能性に疑問点が生じた場合など、早期に検証し見直す勇気も行政のトップには必要だと考えます。マニフェストについて知事はどのように考えておられるのか、見解を伺いたいと思います。  三反園知事誕生の要因の一つとなった川内原発についてでありますが、就任当初、知事は、原発の運転期間について、「四十年が基本だと思っている」と明言しておられましたが、七月二十六日の会見で、記者からの「四十年を超えて原発を運転することをどう思うか」との質問に、「国に確認したい」と明確な答えを避けておられます。  改めて伺います。  原子力規制委員会が四十年を超えた運転を相次いで認めておりますが、これに対する知事の見解と、四十年が基本とする姿勢に変わりはないのか、明確にお答えください。  鹿児島の新たな行政課題や挑戦すべき課題を明確にし、中長期的な観点から、あるべき姿や今後の県政の進むべき基本的な方向性、戦略を示す新たな県政ビジョンの策定について、第三回定例会初日に骨子案が示されました。申すまでもなく、平成二十年三月策定したかごしま将来ビジョンがことし最終年を迎えたことから、次なる十年間の中期的な鹿児島県の羅針盤となる計画づくりと理解いたします。  これまでに策定されたさまざまなビジョンに基づく実施計画や政策提言・助言に関しては、県政に反映され一定の成果を得たもの、あるいはいまだに未達成のもの、その評価もさまざまであります。指摘すべきことは、それぞれの成果などをどう総括し、次なる中長期計画に生かされていくのかであります。要は、県民が主役の視点と、県民の暮らしがどう変わり、どうよくなるのか、その全てが県民の生活に直結するという普遍的なテーマを念頭に推進されるべきと考えるものであります。  こうした観点で伺いますが、県民が主役となるべき新たな県政ビジョン策定に当たり、基本的な視点・考え方をつまびらかにしてください。  ことし七月、国連の核兵器を法的に禁止する条約制定交渉会議は、核兵器の使用や保有、製造などを幅広く法的に禁止する条約を、国連加盟国の六割を超える百二十二の国と地域の賛成で採択しました。今回の条約の採択は、核兵器の廃絶に向け、国際社会が大きな一歩を踏み出す画期的なものであります。  条約は、核兵器の使用、開発、実験、製造、取得、保有、貯蔵、移転など幅広く禁止するものとなっており、核を使用するとの威嚇の禁止も最終的に盛り込まれ、核抑止力という考え方を否定するものとなっています。  また、条約の前文に「ヒバクシャ」という文言が盛り込まれたことは、核廃絶や平和への願いを世界に発信し続けてきた、広島、長崎の被爆者の思いが酌み取られたことにほかなりません。  しかし、核兵器禁止条約の交渉会議に加わることすらしなかった日本政府に対し、八月九日の長崎・平和祈念式典における平和宣言で、田上長崎市長は次のように訴えております。  「ノーモア・ヒバクシャ」、この言葉は、未来に向けて、世界中の誰もが永久に核兵器による惨禍を体験することがないようにという被爆者の心からの願いをあらわしたものであります。その願いが、この夏、世界の多くの国々を動かし、一つの条約を生み出しました。田上市長の言葉をかりますと、「核兵器を持つ国々と核の傘のもとにいる国々に訴えます。安全保障上、核兵器が必要だと言い続ける限り、核の脅威はなくなりません。核兵器によって国を守ろうとする政策を見直してください。日本政府に訴えます。核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と、持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにもかかわらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています」。このように、条約を批准しようとしない日本政府に対する厳しい非難と、条約の批准を強く求めたものでありました。  多くの国連加盟国の賛成によって核兵器禁止条約が採択されたこととあわせ、日本政府の対応について、三反園知事の見解を聞かせてください。  以上で、一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 4 ◯知事(三反園 訓君)お答え申し上げます。  県内各地を訪問しての認識や見解についてであります。  私は、県民の声を県政に反映させたい、県民のもとを訪れて直接話を聞き、それを県政に反映させるための努力をしていきたいと思って取り組んでまいりました。また、災害が起こればすぐ現場に飛んでいき、その人たちの声を聞き、すぐ対応していく、そういった県政を進めていきたいという思いで取り組んでまいりました。  車座対話を初め、子育て支援施設などの現場を積極的に訪問することにより、人口減少、少子化から来る不安の声、子育て、介護に関する御意見など、県民の皆様の多くの声に接してきました。これらによりまして、改めて子育て支援などに取り組む必要性を強く感じ、子育て支援や高齢者の生きがいづくり、健康づくりなど、できるものからさまざまな分野で取り組んでいるところであります。  鹿児島には日本一魅力的なものがたくさんあると、現場に行って改めて強く感じております。これらを生かさなければならない、そういう思いで取り組んでまいりました。  今後とも、県民が主役の県政を実現するために多くの現場を訪れまして、県民の皆様の声を県政に反映させたいと考えております。  県民や県議会の皆様方の御協力をいただきながら、県民の生活がよくなり、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そういう鹿児島をつくるために全力で取り組んでまいりたいと思っております。  ドーム球場についてであります。  ドーム球場は、野球だけでなく、ほかのスポーツやイベント、コンサートなど幅広い年齢層の方々が多目的に利用でき、観光や教育などマニフェストに掲げる諸施策の実現に資するものと考えております。  大規模スポーツ施設在り方検討委員会においては、多くの委員から、総合体育館につきまして、イベントやコンサートなど多目的に利用できる機能も必要であるといった御意見が出されておりまして、こういった機能はドーム球場の機能とも共通するものがあると考えております。  検討委員会では、現在、総合体育館について、必要性、機能について優先的に検討していただいております。ドーム球場についても、実現可能かどうかも含めて検討していただくことになっております。  マニフェストの一年間の総括についてのお尋ねがありました。  私は知事就任以来、県民が主役の県政を行おうと走り続けてまいりました。何よりもまず子育て支援が、そして高齢者が生き生きと安心して暮らせる社会づくりに力を入れることとし、また、働く女性が能力を発揮して活躍でき、男女がともに働きやすい環境づくりも重要であるため、就任後初めて編成いたしました今年度当初予算におきまして、関連事業を重点施策として位置づけ、実施しているところであります。  県民の皆様にお示ししたマニフェストに掲げる施策の実現に向けては、この一年間さまざまな分野に全力で取り組み、保育所等の定員増を伴う整備の促進、住民税非課税世帯の未就学児を対象とした医療機関等における窓口負担をなくす制度の導入に向けた取り組み、高齢者を対象とした県有の常設展示施設の入館・入園料の無料化、働き方改革を推進するための企業経営者向けセミナーの実施、女性活躍に積極的に取り組む企業の表彰制度の創設、県内各地での知事と語ろう車座対話の開催、国内外でのトップセールスの実施、原子力安全・避難計画等防災専門委員会設置・開催、かごしま青年塾の開講など実施または実施に向けて取り組みを行っているところであります。  いつも言っておりますけれども、私が目指す鹿児島は一つであります。県民や県議会の皆様方の御理解、御協力をいただきながら、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島を目指しまして、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。  マニフェストの見直しについてのお尋ねであります。  マニフェストは、県民の皆様と一緒に新しい力強い鹿児島をつくるための基本的な方針と各種施策を掲げた県民の皆様方との約束であります。マニフェストは、四つの政治姿勢と鹿児島を日本一にする六つのお約束として、観光や農林水産業に係る施策など四十一項目を掲げたところであります。  マニフェストに掲げた施策の中には、速やかに行うべきものと、ある程度長い時間をかけてじっくりと進めるべきものがあると考えております。本県を取り巻く社会経済情勢や県議会の御意見、財政状況等も踏まえ、優先順位を判断しながら、四年間の任期中に実現できるよう、また方向性を示せるように努力してまいりたいと考えております。  県政においては、中長期的な視点で取り組まなければならない施策もありますことから、財政状況等も勘案しつつ、引き続き具体化を検討し、県議会の皆様の御意見もお聞きしながら、マニフェストの実現に向けて一歩一歩着実に取り組んでまいりたいと考えております。  原子力発電所の運転期間についてであります。  原子力発電所の運転期間は、原子炉等規制法で四十年とされており、国の原子力規制委員会が認めた場合、一回に限って二十年まで延長することが認められております。私としては、そのことを踏まえ、これまで一貫して、「運転期間は原則四十年」と申し上げてきております。  新たな県政ビジョン策定の基本的な視点と考え方についてであります。  現在、我が国は、本格的な人口減少社会の到来や少子高齢化の進行、経済のグローバル化や技術革新の急速な進展などによりまして、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えております。  一方、本県は、自然、食、歴史など国内外に誇れる一流ですばらしい素材や、成長著しいアジアに近接した地理的優位性など、生かすべき多様なポテンシャルを有しております。新たな県政ビジョンの策定に当たっては、これらの時代潮流や本県のポテンシャルなどを的確に捉えた上で、これを踏まえ、鹿児島の目指すべき姿や施策展開の基本方向などを明らかにしたいと考えております。  県政の主役である県民が、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島にしたいという強い思いで県政を進めたいと考えております。このたびお示ししたビジョンの骨子案においては、鹿児島の目指すべき姿について、人、暮らし、産業の三つの視点に着目・整理してお示ししてあります。  一つ目は、人に着目し、地域に誇りを持ち多彩な個性と限りない能力を発揮できるような社会。二つ目は、暮らしに着目し、どこよりも幸せを実感できるような社会。三つ目は、産業に着目し、魅力ある産業が育ち世界に選ばれる逸品を創出するような社会であります。  これらの目指す姿を実現するための施策展開の基本方向については、誰もが個性と能力を発揮し活躍できる社会の実現など、十二の大項目に整理してお示ししております。これらは、ウェルネスや県民総活躍、AI、IoTなど革新的技術の活用など新たな視点にも留意し、示したところであります。  また、県民が主役で、まさにオール鹿児島でビジョンの実現を図っていくべきものと考えており、第六章に、そのための体制等についても示したいと考えるところであります。  新たな県政ビジョンにつきましては、県議会や有識者委員会、県民の皆様などの御意見も十分にお聞きしながら、今後さらに検討を進め、今年度末をめどに策定したいと考えております。  核兵器禁止条約の採択等に対する見解についてであります。  核兵器禁止条約については、ことし七月、国連本部の条約交渉会議で採択されたところであります。国は、同会議について、いずれの核兵器国の参加も得られず、核兵器国と非核兵器国との対立を一層深めるおそれがあることから、諸般の事情を総合的かつ十分に検討し、交渉には参加しなかったとしており、また、同条約について、署名及び批准を行う考えはないとしているところであります。  外交は国の専管事項であり、コメントは差し控えたいと思いますが、私としては、我が国は世界で唯一の被爆国であり、核兵器による惨禍が再び繰り返されることがないよう、世界の平和の構築のための不断の外交努力を続けていくことが極めて重要であると考えております。 5 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)アウトレットモールの誘致についてでございます。  県内には、県民が集い楽しめる娯楽空間が少ないことから、アウトレットモールと小規模なレジャー施設、いわゆるテーマパーク的機能が一体となった施設を誘致したいと考えております。  このため、昨年度から、既存施設や開発事業者を訪問し、アウトレットモールの立地条件や来場者の状況、施設の概要などの情報収集を行い、現在、その整理を行っているところでございます。また、今年度は、小規模なレジャー施設についての情報の収集も始めたところでございます。  今後、これらの情報を踏まえ、開発事業者や関連機関・団体等の意見もお聞きしながら、各種の誘致条件を整理・分析した上で、具体的な誘致の進め方について検討してまいりたいと考えております。 6 ◯前野義春君 自席から再質問させていただきます。  今、知事から、「原発の運転について原則四十年と申し上げている」という御答弁をいただきました。今、その気でおられると思いますけれども、今後もその気持ちに変わりはないかということをお尋ねします。  それから、県民が主役ということをしきりに先ほども申されました。これまでもさまざまな現場に赴き、直接現場の県民の声を聞く姿勢を示しておられます。現場では、緊急を要する問題はトップダウンで指示して、県民目線からしますと、県政のトップのフットワークや即決する姿勢に一定の評価も得ておられると考えます。  そこでお伺いいたします。  知事と語ろう車座対話に参加した方々からは、知事に身近で直接訴えて、そして知事の一挙手一投足、言葉や顔色、表情や反応をつぶさに見ることで、ある意味親近感を覚え、感激すら感じられると思います。県民からは絶好の機会ですから、知事に対して直接要望や陳情されることが多いと考えます。こうした課題の処理の仕組み、つまりスキームはどのような取り扱いをされているのか、いま一つ私どもに見えてまいりません。知事の考えをお示しください。 7 ◯知事(三反園 訓君)運転期間についてのお尋ねでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、原子炉等規制法を踏まえまして、これまで一貫して、「運転期間は原則四十年」と申し上げてきておりまして、そのとおりであります。  また、二番目の御質問でありますけれども、車座対話をした後、どういう形になっているのかということだと思いますけれども、車座対話というのは、御存じのとおり、二十五人ぐらいの方々とシナリオなしで、ぶっつけ本番で、一対一でいろんなお話をして、一人一人に対して、私がその人の質問に対して個別に一人一人にお答えするということでありまして、現在は二時間半から三時間ぐらいですね、時間なしでもう本当に真剣なやりとりをさせていただいているところであります。  そうした中で、持ち帰りまして、その一人一人に対して県がどのようなことができるのかと担当課のほうに振りまして、担当課が真剣に一つ一つ議論しております、実際に。そして、できるものに関してはすぐにその方に直接電話してお答えして、実現したものも現在あるところでありますので、県民が主役の県政とはそういうものだと思っております。  ただやるだけではなくて、やったことに対してどのような形でそれを県政に生かしていくか、これが本当の車座だと思っておりますので、今後もそういう姿勢で取り組んでいきたいと思っております。 8 ◯前野義春君 原発の運転ですけれども、今後もこの考えは変わらないと受けとめてよろしいですか、どうですか。 9 ◯知事(三反園 訓君)一貫して、「運転期間は原則四十年」と申し上げておりまして、そのとおりであります。    [前野義春君登壇] 10 ◯前野義春君 知事から直接答弁いただきました。  知事の就任一年を経た時点でさまざまお伺いしました。  ただ、県政を議論する重要な県議会の議場であります。議員や県民の率直な意見や批判は、県政のトップとしてあえて真正面から受けとめて、知事の言葉で語られることを多くの県民が望んでいると考えます。  知事と語ろう車座対話で受けた県民からの御要望やら何やら全て関係課に振って、そして直接電話で回答しているというお答えがありました。これが私どもにはよく見えなかったものですから、そういう聞き方をしたわけであります。  県民の関心度の高いドーム球場やアウトレットモールについても伺いました。  特にドーム球場などの大型施設は、今後、検討委員会でも議論される重要案件であります。知事におかれては、県の財政や必要性を考慮して、常に見直す勇気も持って、引き続き、県民目線、県民が主役の県政を推進されるように願うものであります。  次の質問に移ってまいります。  川内原発に係る諸問題について、通告しておりました三項目は割愛させていただきます。  七月二十八日、経済産業省は、原発から出る使用済み燃料を再処理した後、発生する高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分ができる可能性のある地域を示した科学的特性マップを公表しました。火山や断層活動、隆起・侵食、地熱活動、鉱物資源の有無などを地図上に作図し、好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高い地域、好ましくない特性があると推定される地域に大別し、さらに、海岸から二十キロメートル範囲については、輸送面でも好ましい地域と強調しています。特性マップの提示は処分地決定を迫るものではなく、最終処分実現のための長い道のりの一歩と位置づけながら、取り組みを一層強化し、複数の地域に処分地選定調査を受け入れていただくことを目指すとしております。  そこでお尋ねいたします。  今回の特性マップで該当する好ましい地域の市町村は、県内に幾つあるのか。調査を受け入れる自治体には、最初の文献調査で最大二十億円、次の概要調査では最大七十億円の交付金が入るとされております。受け入れないことを表明している本県としては、文献調査であろうとも受け入れないようにすべきという通知を該当する市町村に発出すべきと考えますが、見解を求めます。  また、処分地を受け入れない県条例を制定する考えはないのか、見解を伺います。  「火山噴火や断層の知見が十分反映されていない、どういう根拠によって基準がつくられたかが周知されていない、恣意的な点が多く科学的とは言いがたい」という識者の声もあります。安全よりも輸送という効率性が優先され、生活圏から遠ざけるという視点が欠如しているようにも感じます。世界自然遺産に登録されている地区も「好ましい」に分類されていることには、腹立たしい思いも覚えます。  公表された今回の科学的特性マップに対して、窓口である国に意見する考えはないのか、答弁してください。  原発を動かせば核のごみもふえ続けます。使用済み燃料をふやさないためにも原発稼働率を下げていく、脱原発の道筋は原発を稼働させないことだと考えますが、知事の見解を求めます。  ここ数年、国内各地でメガソーラー建設をめぐるトラブルが発生しており、しかも年々増加傾向にあります。ことし二〇一七年に入ってからも、山形、栃木、三重、京都府などで反対運動や行政の不許可などが相次いでいます。  昨年二〇一六年には、高知県四万十市が、メガソーラー建設計画を条例に照らして不許可とした案件や、愛知県瀬戸市では、事業者が市側の中止勧告を無視して建設、売電を開始し、問題化した案件など、全国でメガソーラーをめぐる問題が起こっています。  本県においても、メガソーラー設置に関係する地域住民等と事業者間のトラブルも発生しております。先日、会派で現場調査した霧島市牧園町高千穂での林地開発に関して、住民の方々からの意見聴取や現地調査を行っておりますので、問題点等について具体的に伺ってまいります。  お配りした写真資料をごらんください。  この林地開発は、二〇一五年四月に県に申請がなされ、同年十月に許可がなされております。総敷地面積は、東京ドーム八個分の約三十八ヘクタール、発電パネル約七万八千枚、出力十七・五メガワットで、まさにメガソーラーと言える大規模なものであります。許可申請には事業者による住民説明の実施状況も添えられ、同意を得たとされております。  説明会では、平面図などにより、隣接道路から三十メートルの緑地設置が説明されておりますが、住民らは、既存森林が幅三十メートルで残るという理解をしていたことから、昨年秋に工事が始まるや、丘陵地は掘削・整地され、冬の季節風で粉じんが舞い飛ぶ状況に驚いた住民は、事業者に対し防じん対策の要請をし、仮設足場パイプとビニールシートが設置されましたが、四月の強風により大きく破損する事態となりました。地元住民としては、住宅に隣接する頂点部が三十メートル程度の緑地帯になるよう、のり面の埋め戻しを強く求めておりますが、相当の経費を要することなどから協議は難航しております。  今回の事例のように、住民が説明を十分に理解できていない場合や、事業者も想定していなかった強風被害などが生じた場合、また、許可者もそのような事態を想定できていなかった場合など、事業者が問題解決のために努力することは当然ですけれども、ここに至って、許可者として県当局の対応がいま一つ見えてきません。  この件について、許可者である県は、このような事態が起こり得ることを許可申請内容から想定・把握できる状況にあったのか。  そして、今回の状況についてどのように把握し、事態の収拾に向けて今後どう指導していかれるおつもりか、お答えください。  さて、太陽光パネル設置には立地規制がありません。危険区域と接していても、傾斜の急な山の斜面でも、住宅地に接していても設置ができます。自然を壊してメガソーラーを設置するのでは本末転倒であり、国が早急に法の整備を行うとともに、県もしくは自治体で規制条例をつくるなどの対応が求められます。  これまで、私ども県民連合会派では、本会議や委員会審査を通じて林地開発に関する課題を取り上げ、県の指導体制や指導のあり方など議論してまいりましたが、県当局のスタンスは、国土利用計画法や森林法で十分指導が可能としており、指導要綱などは必要ないとの見解でありました。しかし、現に県内各地で行われる開発でも規模が大きくなればなるほど、住民生活への影響や環境への影響が危惧される状況となります。  こうした中、兵庫県では、太陽光発電設備の普及に伴い、建築基準法や都市計画法の適用を受けない太陽光発電施設等におけるさまざまな問題が顕在化してきたことを踏まえ、太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例を制定し、太陽光発電施設等の設置をする際の基準を設けるとともに、住民との調整などの手続を定めております。  こうした動きは広がりつつありますが、本県においても、関係法を補完する県条例あるいは県の指導要綱が必須と考えますが、見解を伺います。
     また、県土地利用対策要綱の開発行為の定義に、太陽光発電設備の設置に伴う土地の区画形質の変更を追加すべきと考えますが、見解をお聞かせください。  次の、新たな再生可能エネルギー導入ビジョンですけれども、通告しておりました質問の三項目めから七項目は、改めて一般質問などに委ねることとして割愛させていただきます。  県では、二〇一四年四月に、本県の自然的・社会的地域特性を生かした再生可能エネルギーの導入を計画的に進めるための指針となる鹿児島県再生可能エネルギー導入ビジョンを策定しました。計画期間は、二〇一四年度から二〇年度までの七年間となっています。  これまでの取り組みの結果、二〇一五年度末には既に目標を達成した状況となっています。特に、太陽光発電は二〇二〇年度末の容量を一三%超えており、バイオマス発電も目標を達成しています。他の小水力や風力、地熱も九割を超え、目標を達成していると理解しております。  このような状況を踏まえ、県は今年度、再生可能エネルギー施策の基盤となる新たなビジョン策定に取り組んでいます。  そこでお伺いします。  知事は、マニフェストにエネルギーパーク化構想を掲げており、新たな再生可能エネルギーを県内各地にどのように波及させていかれるおつもりか、考えをお聞かせください。  また、原発の立地稼働県でもあり、知事のこのビジョン策定に取り組む決意をお聞かせください。  一回目の委員会ではどのような意見が出されたのか、新たなビジョンの基本的な考え方と策定状況をお聞かせください。  八月十七日に行われた知事の定例会見で、二〇一六年度の農林水産物輸出額が最高の百五十五億円と久々の明るい話題が提供されました。県を初め、関係団体の御尽力に改めて敬意を表するものであります。  輸出額は、対前年比二〇%増、五年間で約三倍に増加しているもので、内訳は、牛肉等の畜産物が七十三億円、養殖ブリ等の水産物が六十九億円、丸太等の林産物が十二億円とあります。諸外国も含め、国内的にも競争が激化する中での輸出拡大は、本県農林水産業の主たる課題の一つであり、今後も引き続き、各施策の強力な展開や実効性が課題と考えます。  県では、今後の方向性を示す、輸出拡大に向けた数値目標や品目横断的な取り組みなどを取りまとめた県農林水産物輸出促進ビジョンを策定することとなっています。時代背景や時期を得た取り組みとして大いに評価するものでありますが、農林水産物の輸出拡大への課題と今後のさらなる取り組みについてお聞かせください。  木材の利用は、森林の適切な整備を促し、県土の保全や水源の涵養、地球温暖化の防止など、さまざまな形で私たちに恩恵をもたらしています。しかし、少子高齢化の急速な進展や、木材や木製品以外の素材が使用されるようになり、林業・木材業は厳しい状況に置かれています。一方で、厳しい地域経済・地域社会にあって、地方創生に貢献できる産業としての期待も高まっております。特に、丸太などの輸出拡大とあわせ、CLT等を初め、新たな木質部材の開発や技術革新が進んでいること、木質バイオマスのエネルギー利用などが注目されています。  そこで伺ってまいります。  まずは、本県林業の現状と課題についてお示しください。  県民及び事業者が木材利用の重要性についての認識を共有し、木材利用の推進を図ることが必要だと考えますが、民間部門においては、木材・県産材の優先利用の促進のためにどのような施策を進めておられるのか、お聞かせください。  公共建築物での木材の優先利用につきましては、県公共建築物等木材利用促進方針に基づいて取り組まれていると思いますが、公共部門での県産材の利用促進の取り組みについてお示しください。  県産木材の需要が拡大されるためには、県・国内外での需要拡大の取り組み、供給体制の整備、高度利用のための技術開発が必要となりますが、取り組みの現状と課題についてお示しください。  また、宮崎県は二〇一九年度に、九州で初の林業大学校を開校するとのことですが、伐採跡地への再造林や専門的な技能を持つ人材育成が欠かせないことから、総合的な林業担い手の養成機関として設置するとの情報もあります。  こうした積極的取り組みをどのように評価されるのか。そして、本県における人材育成の現状と取り組みについて示してください。  農地を借り受け、担い手農家などに貸し付け、農地の集積を促す農地中間管理事業は、二〇一四年度からスタートし、本県では、事業の実施主体を県地域振興公社が担っております。開始から四年目を迎え、借り手に比べ、貸し手の不足が目立ち始めたと伺います。「地域振興公社では、盆などの帰省時を狙って、農地相続人や所有者に対し、農地の貸し手探しの啓発を行う」との報道もあります。  事業で扱った農地は、初年度の二〇一四年度が百四十八ヘクタール、二〇一五年度は事業が浸透したこともあって二千七百六十一ヘクタールに伸びたものの、二〇一六年度は貸し手が減り、実績は一千九百五十五ヘクタールと、毎年度設定する目標面積の達成率も六一%にとどまっています。  そこで、事業開始四年目を迎えた農地中間管理事業の過去三年間の事業実績とその評価、今後の取り組みについて明らかにしてください。  以上、二回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 11 ◯知事(三反園 訓君)脱原発についてのお尋ねでございます。  本県には、豊富な温泉、森林資源、広大な海域、長い海岸線などの自然条件を初め、畜産業などの農林水産業が盛んであるということなどから、多様で豊かな再生可能エネルギー資源が存在しております。この恵まれた資源を最大限活用し、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進することで、原発に頼らない社会を少しずつつくってまいりたいと考えております。  再生可能エネルギーの県内への普及とビジョン策定に取り組む決意についてであります。  本県は、森林、畜産、温泉、広大な海域等、多様で豊かな資源が存在しておりまして、この恵まれた資源を最大限活用し、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進していきたいと考えております。また、推進に当たりましては、地域の特性を生かす、種類をふやす、量をふやすの三つの考え方に基づきまして、県内全域で再生可能エネルギーの有効活用を図り、雇用の創出や観光面での効果などにもつなげてまいりたいと考えております。そのため、指針となります新たなビジョンを策定することとし、現在、導入目標の設定、推進方策等を検討しているところであります。  今後、県議会や県民の皆様の御意見も伺いながら、新たなビジョンを策定し、これに基づき、県内に存在する多様な再生可能エネルギーが有効に活用され、その供給量が全国トップクラスとなるエネルギーパークの実現を目指してまいります。 12 ◯企画部長(東條広光君)初めに、科学的特性マップにおける好ましい地域に該当する市町村数についてであります。  国は、科学的特性マップについて、二百万分の一の縮尺で作成したもので、科学的特性の区分境界の精度には限界があり、自治体の境界との位置関係は厳密なものではないとしております。こうしたことから、国は、それぞれの区分に該当する市町村数を示すことはできないとしているところであります。  次は、高レベル放射性廃棄物処分地選定調査等への対応についてであります。  本県においては、農林水産業の振興、観光地づくりに取り組んでいくこととしており、最終処分場を受け入れる考えは全くないところであります。このことはこれまでも明確に申し上げてきているところであり、市町村へ文書をお出しすることや、条例を制定することについては考えておりません。  次に、科学的特性マップに対する意見の申し入れについてであります。  科学的特性マップについては、国が一定の要件・基準に従って作成したものと承知しておりまして、県としては、意見を申し上げることは考えていないところであります。  林地開発許可に係る諸問題に関しまして、太陽光発電設備の設置に係る県条例の制定等についてのお尋ねがありました。  国におきましては、固定価格買取制度創設後、防災や環境をめぐり、事業者と地域住民との関係が悪化する等の問題も生じましたことから、いわゆるFIT法を改正し、国が発電事業開始前に事業終了までの事業計画を認定する新たな制度を設けまして、この四月からその運用を始めております。あわせまして、事業者が企画から設計・施工、運用・管理、事業終了後の設備の撤去・処分など、事業の各段階において遵守しなければならない事項などを記載したガイドラインが制定されたところであります。  新制度では、事業計画の認定に当たり、このガイドラインに従って適切に事業を行うことが求められており、これに違反した場合には、国が指導・助言や改善命令、認定取り消しを行うことができることとなっております。  県では、森林法などの個別法や県土地利用対策要綱に基づき、防災面を中心とした指導・助言を行ってきているところでありますが、こうしたFIT法に基づく国の新たな制度や取り組みにより、太陽光発電事業など再生可能エネルギー事業の適切な事業実施が図られることを期待しております。  また、県土地利用対策要綱の定義規定の見直しについてのお尋ねがありましたが、同要綱におきましては、掘削、造成など土地の区画形質の変更を行うことを開発行為と定義し、指導や調整の対象としているところであります。したがいまして、太陽光発電設備の設置に伴う土地の区画形質の変更については、既に同要綱の適用対象となっておりまして、要綱の定義規定の見直しは考えていないところであります。  次は、新たな再生可能エネルギー導入ビジョンの策定状況と基本的な考え方についてであります。  第一回再生可能エネルギー推進委員会においては、新たなビジョンの骨子案などについて協議していただきました。委員会では、「鹿児島に豊富に存在する再生可能エネルギー資源を利用して産業を育てることが重要」との意見や、「地域のエネルギーを活用して地域を元気にしていく方策が重要」との意見などをいただいたところであります。  新たなビジョンについては、地域特性を生かした再生可能エネルギーの導入促進や、エネルギーの地産地消による雇用の創出と地域の活性化などを基本的な方針としたいと考えております。  今後、委員会の御意見などを踏まえ、ビジョン案を作成し、次期定例会で県議会の御意見も伺いたいと考えております。その後、パブリックコメントを経て、今年度中に新たなビジョンを策定したいと考えているところであります。 13 ◯環境林務部長(古薗宏明君)林地開発許可地の現状認識についてであります。  霧島市牧園町高千穂における林地開発につきましては、森林法や国の通知等に基づきまして、書類審査及び現地調査を行い、切り土、盛り土の工法やのり面保護対策、排水計画、調整池の構造、森林率等について厳格に審査を行った上で許可したところであります。  県といたしましては、地域住民の理解を得ることも大切でありますことから、事業者に対し、許可申請や計画変更の際に住民への説明を丁寧に行うよう指導してきたところであります。  今後の県の指導についてであります。  霧島市牧園町高千穂の事案につきましては、御指摘にありましたようなことが事業者と住民の双方に積み重なって生じたのではないかと考えております。  県といたしましては、住民の求めに応じて、改めて現地調査を行うとともに、地元公民館に赴きまして直接説明も行ったところであります。また、事業者に対しましては、住民の要望を直接伝えるとともに、住民に対し、施工内容等の説明を丁寧に行い、理解を得るよう繰り返し指導してきたところであります。  事業者におきましては、住民の要望に応えるべく、境界付近に防風、風を防ぎ、防音、音を防ぐことを目的としたフェンスを設置し、その前後に高さ四、五メートルの樹木の植栽を行いましたほか、防じん対策として敷地の緑化等も進めておりまして、のり面の植栽につきましても、現在検討しているところであります。  農林水産業の振興策のうち、本県林業の現状と課題についてであります。  本県のスギ・ヒノキの人工林が本格的な利用期を迎えている中、大型木材加工施設や木質バイオマス発電施設の操業開始等によりまして、平成二十七年度の木材生産量は平成二十二年度の一・五倍の約八十七万立方メートルに増加してきております。また、近年は供給量に占める県産材の割合も増加してきております。他方、皆伐が増加する中、再造林率は低位で推移するとともに、下刈りや再造林を担う林業就業者につきましても不足している状況にあります。  このため、今後、林業の担い手を確保・育成しつつ、森林資源の循環利用の定着化を図りますとともに、木材の安定供給や県産材の需要拡大に向けた取り組みなどを総合的に実施し、林業の成長産業化を実現していく必要があると考えております。  民間部門における木材・県産材の優先利用促進に向けた施策についてであります。  県では、木材・県産材の優先利用を促進いたしますため、広く県民に木材まつりなどのイベントを通じて、木のよさや県産材利用の意義についてPRを行いますとともに、モデル的な木造施設等の整備を支援しているところであります。また、建築士等を対象とした講習会において、県産材利用を呼びかけるとともに、かごしま緑の工務店が県民にかごしま木の家の建設を促すために実施するバスツアーや構造見学会を支援するなど、県産材の優先的な利用促進を図っているところであります。  これらの取り組みに加えまして、CLTを使用したモデル建築物への支援も昨年度から行っておりまして、今月十一日には、CLTパネル工法による集合住宅の構造見学会を開催するなど、県産材の新たな需要を喚起しているところであります。  公共部門での県産材利用促進の取り組みについてであります。  公共建築物等につきましては、県公共建築物等木材利用促進方針におきまして、可能な限り木造化または内装等の木質化を図ることとしておりまして、県や市町村が整備する学校や公営住宅はもとより、民間の社会福祉施設や病院などにおいて、県産材利用を積極的に推進しております。  推進に当たりましては、公共建築物の整備に当たっての木造化の基準を定めるとともに、これまで整備したモデル建築物や木材を利用した場合のコスト比較などの解説を取りまとめた事例集を作成いたしましたほか、木造公共施設整備事業を活用することなどによりまして、さらなる木造化の支援を行っているところであります。  今後とも、庁内各部局や市町村等と県産材利用の意義についての認識を共有しながら、公共建築物等への県産材の利用を推進してまいります。  県産材の県・国内外での需要拡大等の取り組みの現状と課題についてであります。  県産材の需要拡大につきましては、需要の創出が期待されるツーバイフォー住宅部材やCLT等について、県内外で建築士等を対象とした講習会や構造見学会等を開催するなど、認知度の向上や工法の普及を図っているところであります。また、付加価値の高い製材品等の輸出を支援するとともに、需要が旺盛な東アジア地域に向けましては積極的なPR等に取り組んでおりますほか、大型木材加工施設の整備や生産技術の向上等に対しましても支援を行っているところであります。  本県の木材産業は小規模・零細な企業が多いことから、生産能力を強化し、県産製材品の供給量の増大を図ることが課題となっております。このため、国の補助事業等も活用し、本県木材産業の競争力を高めますとともに、県産材のさらなる需要拡大に努めてまいります。  本県における林業人材育成の現状と取り組みについてであります。  宮崎県では、現在実施しております、みやざき林業青年アカデミーの実績や地域の要望等を踏まえ、実践的な人材養成に応えられる実施体制を備えた林業大学校の設置を検討していると聞いております。  本県では、新規就業者の確保・育成を図りますため、鹿児島きこり塾や林業関係学科のある高校の生徒等を対象とする現場実習、技能講習等を実施しており、林業就業者に対しましては、高性能林業機械の運転操作など、みずから選択して受講できる林業技術研修や、自分の能力に応じて技術や知識を習得できる研修等により、キャリア形成を支援しております。  平成二十八年度に実施したアンケート調査では、現場を統括できる技能者の育成などの研修の充実を求める声が多かったことから、本年度からは中核的林業技能者の養成研修を開始するなど、研修内容の充実にも努めているところであります。  今後とも、県林業担い手育成基金等と連携しながら、林業担い手の確保・育成に努めてまいりたいと考えております。 14 ◯農政部長(川野敏彦君)農林水産業の振興策に関しまして、まず、農林水産物の輸出拡大への課題と今後の取り組みについてでございます。  県産農林水産物の輸出額は、平成二十八年度には対前年度比約二〇%増の約百五十五億円となるなど、年々着実に増加してきております。県産農林水産物のさらなる輸出拡大に向けては、かごしまブランドの認知度の向上、EUなど新たな市場の開拓、混載コンテナの活用等による低コストな輸出手法の確保、相手国の認証基準への対応などが課題となっております。  県では、現在策定中の、仮称でございますが、農林水産物輸出促進ビジョンにおいて、これらの課題も踏まえながら、生産から流通・販売に至るそれぞれの段階ごとに取り組むべき施策の方向性等の検討を行っているところです。今後は、このビジョンで示される方向性に沿って、さらなる輸出拡大に取り組んでまいりたいと考えております。  農地中間管理事業の実績と今後の取り組みについてでございます。  農地中間管理事業の貸借実績は、制度が創設された平成二十六年度は百四十八ヘクタール、平成二十七年度が二千七百六十一ヘクタール、平成二十八年度が一千九百五十五ヘクタールとなっており、いずれの年度も単年度目標の三千二百ヘクタールには達しておらず、今後さらなる推進を図る必要があると考えております。  県では、これまで、農地中間管理機構等と一体となって、制度の普及啓発や貸し出し農地の掘り起こし、基盤整備を契機とした農地集積の促進、市町村に配置した推進員の活動促進などに取り組んできているところでございます。これらの取り組みに加えて、昨年四月の改正農業委員会法の施行により新たに設置される農地利用最適化推進委員の現場活動を支援することとしております。  また、近く改正土地改良法が施行され、農業者の費用負担を求めずに基盤整備が実施できる制度が創設されますことから、これらの制度も積極的に活用しながら、担い手への農地集積の加速化に取り組んでまいります。 15 ◯前野義春君 自席から、林地開発に係る関係について再質問させていただきます。  今、提案いたしました県独自の条例もしくは指導要綱、また今回も、「策定の必要なし」という答弁であります。認識がどうも違うようであります。トラブルの多くは、この開発区域外部あるいは外縁部で起こっているんです。「法律に基づいて適正に指導している」という答弁がありました。区域内はそうですよ。区域外で起こっているんですよ、あるいは外縁部で。つまり、住宅に隣接する、あるいはその開発区域内から発生する雨水、これが区域外に流されるわけです。そうしますと、河川あるいは水路等々に一時的にびっくりするような水が流れ出し、あるいは土砂が流れ出すということから、県内でのさまざまな問題が起こってきているわけです。  おっしゃるように、適切に法に基づいて指導はしておられるでしょうけれども、区域外には及びませんがね、この法律は。だから、そういうものを何らかの形で指導できる、あるいは県が主体的に事業者と住民の間に立ってできるようなものが必要ではないですかということを提案しているんです。  県の本庁は現場任せで、一回ぐらいは現場に行かれたのか。ほとんど、私どもが調査に行ったときも確かに地域振興局の職員が来ていましたよ。来ていましたけれども、一言もしゃべりませんよ。おっしゃるようであるのであれば、もっと主体的に県の職員が指導すべきだと、何らかの要綱なりをつくってやるべきだと思うんですが。兵庫県はそれじゃなぜつくったんですか。そういう問題があるからつくったんだと思います。再度答弁をお願いします。 16 ◯企画部長(東條広光君)再度のお尋ねでございますけれども、私どもでは個別法の問題として、例えば森林法など個別法で対応できるものについては、先ほど来申しておりますように指導・助言を行ってきているところでございます。  一方、再生可能エネルギーの事業ということに関しましては、固定価格買取制度のもとで今、大いに国内的に伸張しているところでございまして、その問題を解決するために法律の改正が行われまして、これは所管は経済産業省ということで、資源エネルギー庁ということになるわけですけれども、企画から設計・施工、それから運用、事業後の措置に至るまで、こちらのほうで所管されるということになっておりますので、そちらのほうの運用、取り組みの状況を見てまいりたいということで申し上げたところでございます。 17 ◯環境林務部長(古薗宏明君)先ほど、現場での指導についてのお話がありました。  先ほども答弁申し上げました、住民の求めに応じていろいろ対応しておりますけれども、これにつきましては、地域振興局のみならず本庁の所管課の職員が行って、きちんと住民の方々と、許可に関する範囲内ではありますけれども、きちんと対応して説明等を尽くしたところであります。  それから、林地開発をめぐるいろいろなトラブル、太陽光発電をめぐるトラブル、両方切り分けて考える必要があるとは思いますけれども、少なくとも林地開発に伴って、先ほどお話がありました区域外への土砂流出でありますとかそういう問題につきましては、これは林地開発許可の根幹にかかわる問題ですけれども、区域外であっても土砂の流出というのはあってはならないということであります。  ただ、これも先般、六月の定例会でも申し上げましたけれども、施工中において例えば集中的に雨が降って、たまたま施工中の管理に問題があったりして起こったという事案でございまして、私ども常に許可申請中あるいは許可を行った後も、施工業者に対しましては、そういう問題が起こらないように例えば梅雨期の工事は避けるとか、あるいは雨が降りそうなときにはそれなりの対策をとるよう指導を行っているところでありまして、そのような指導をきっちり守っていただければ防げるのではないかと考えております。    [前野義春君登壇] 18 ◯前野義春君 御答弁いただきました。  川内原発に関してですが、昨年の知事選挙では、有権者の半数以上が原発依存からの脱却ということを三反園知事に託したと言っても、決して過言ではありません。「再生可能エネルギーの普及で少しずつ少しずつ原発に頼らない社会を目指す」というのが知事の口癖であります。もっと明確に脱原発政策を、それこそ大胆に大胆に推進されることを要請するものであります。  林地開発に関してですけれども、今、再質問でも申し上げました。盲点があるんです。区域内はきっちりやれるんです。区域外に住んでおられる方々が、住民の皆さんと直接目の前に接するいろんな問題が起きてくるんです。だから、そのことを私は実務も経験しました。「県が何らかのガイドラインあるいは指導要綱をつくってくれれば、県内の市町村の担当課も助かるんだがな」という声は少なくないわけであります。  FIT法を言われました。「FIT法でこの四月から施行されている」と言われましたけれども、それがどう現場で生きているのか、そのことについても疑問を感じざるを得ません。  この林地開発をめぐる問題については、究極は馬毛島であります。今の県の指導体制でこの間やってきたわけですが、馬毛島は林地開発許可を出しています。出していますが、それの追跡調査もできていない。そういう実態にあるんじゃないですか。だから、決して太陽光が、再生可能エネルギーが悪いということを言っているんじゃないんです。住民が生活している中で、住民が不安になる、そのことを行政が何とかしなければならない、そういうところにもう来ているのではないですかという指摘をしたところでありますから、御理解いただいて。そして兵庫県の例も挙げました。なぜ兵庫県はそういうものをつくらなきゃいけなかったのか、そのことも分析していただきたいと要請しておきます。  農政の関係、農政部長からお答えいただきました。  非常に追い風が吹いています。どうか今の体制あるいはさまざまなビジョンの策定等々で、引き続き頑張っていただきますことをお願いしておきたいと思っています。宮城全共で和牛日本一の栄冠に輝いたということが、知事も先ほどおっしゃいました、農林水産業の発展・振興のみならず、あらゆる業種・業態に弾みをもたらすんだと、そういうことで大きな期待が膨らんでいるところです。  改めて、宮城全共に出品された農家あるいは県農政部の畜産課を初め、自治体やJA関係者、肉改研、さまざまな方々の五年間の屈辱を見事はねのけて栄冠をかち取られたことに心から称賛を送りたいと思います。今度は追われる立場です。五年後の鹿児島全共に向けてスタートであります。宮城全共で得られた成果と反省点の上に立ったさらなる御尽力を願うものであります。  次の質問に入っていきます。  国民健康保険は来年四月、運営主体を市区町村から都道府県に移すという大改革を迎えます。保険者が都道府県と市町村の共同運営となります。共同運営といいましても、財政運営の権限は市町村にはなく、国の管理指導のもとに置かれた都道府県にあります。都道府県は、各市町村の納付金及び標準保険料率を算定します。各市町村は、その標準保険料率に基づいて保険料を決め、住民からの徴収を行い、都道府県に納付金額を全額支払わなければなりません。  九月四日、県は移管を前提とした保険料必要額の試算を明らかにしました。市町村一般会計からの繰り入れや低所得者への軽減措置などは考慮されておらず、実際に支払う保険料と必要額は一致しないということですが、必要額の伸び率が大きい大崎町では、二〇一五年比六五・九三%、十万七千六十四円となっています。県が来年一月までに市町村別の標準保険料率を算定し、その後、市町村が保険料を決定するとしていますが、算定が遅くなればなるほど市町村としては保険料決定が遅くなり、住民への周知と理解、議会対応、新システムの習得など、合意形成のためのスケジュールが厳しくなってきます。  そこで伺います。
     標準保険料率の算定は早められないのか。大幅な上昇を抑えるための法定外繰り入れを今後も市町村で行えるのか。また、市町村への公費等は今年度と変わらないのかお示しください。  二〇一五年、平成二十七年度の都道府県別一人当たり保険料調定額を見ますと、鹿児島県では最大が中種子町の九万四千四百三円、最小が伊仙町の三万七千百十一円と二・五倍の地域差があります。  厚生労働省は、将来的には都道府県単位での保険料水準一本化を目指していると言われますが、市町村間の開きが大きい現状を見るとき、一本化は困難だと考えますけれども、県の見解を求めます。  厚生労働省は、地方自治体に国民健康保険の財政支援のために配っている交付金を見直す動きをしています。これまでの一人当たりの医療費のほか、住民の所得水準の違いなどが配分の基準になっていますが、医療費の抑制に取り組んだ都道府県を優遇する、いわゆる成果主義の仕組みを検討しております。  そもそも国民健康保険制度は社会保障の制度であり、国民皆保険制度の土台であります。国民健康保険法の第一条には、「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と明記されています。社会保障の財源は、使用者負担とともに公的負担であります。  しかし、一九七五年、昭和五十年の国保会計収入の五八・五%が国庫支出金だったものが、約四十年を経た二〇一四年度には二三・七%にまで削減されております。各自治体は一般会計からの繰り入れで国保会計を維持しているというのが現状であります。  そこで、既に全国知事会と市長会、町村会で、「国の普通調整交付金の配分方法等の見直しは容認できない」との声明が出されておりますが、知事はどのような見解を持っておられるのか、お伺いいたします。  次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し一定の基準を満たした企業は、申請を行うことにより、子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受けることができるとされております。その企業のあかしが、くるみんマークと呼ばれています。  国は、さらに働き方改革を推進するため、本年四月一日より新たな認定基準の適用を開始しました。例えば、これまで、男性労働者のうち育児休業等を取得した者が一人以上となっていた条件が、新しい基準では、男性労働者のうち配偶者が出産した男性労働者に対する育児休業等を取得した者の割合が七%以上に変更、また、育児休業以外の休暇制度による男性の育児参加も評価対象に、さらには労働時間の基準を追加し、法定時間外労働の平均が毎月四十五時間未満であることなどが新たに設けられています。  今月五日、鹿児島労働局は、子育て支援に積極的に取り組んだとして、鹿児島市の企業にくるみんマークを交付しました。県内ではこれまで三十二の企業が認定されておりますが、新基準のもとでは第一号であります。子育て中の男性従業員の休暇取得を推進し、子の看護休暇制度も整備したとのことであります。  そこで伺います。  本県の育児休業取得における現状について、男性・女性の取得率、あわせて正規・非正規それぞれの取得率をお示しください。  厚労省の調査では、三歳未満の子供を持つ男性社員のほぼ三人に一人が、育休を希望しても取得できていません。男性の育休を歓迎しない職場の雰囲気や、業務の多忙を理由に諦める人が多いのが実情であります。男は仕事、育児は女性といった古い通念を取り除き、男性も女性も当たり前に育休を取得しやすい環境整備が急務であります。  県では、女性活躍推進法に基づき、昨年度から、十年間にわたる鹿児島県女性活躍推進計画を進めており、男性の育児休業取得率を二〇二五年には一三%にするという高い目標を掲げておりますが、今後どのような取り組みによって目標を達成していかれるのか、具体的にお伺いいたします。  知事は、みずからもイクボス宣言され、子育て支援に積極的に取り組んでいく方針を示されましたが、県庁内でイクボス宣言された方がどれぐらいおられるのか。また、宣言することで何をどのように変えていこうとしておられるのか、見解をお示しください。  障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例の検証と今後の取り組みについてでありますが、通告しておりました質問項目の二番は、きのうの代表質問と重複しておりますので割愛させていただきます。  障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例が施行されて、来月で丸三年が経過します。障害当事者の方々にとって一つの目標でもあった条例制定は、大きな喜びであり希望でもあったと思います。県としてもこの間、市町村や障害者団体、教育、商工、交通等の関係団体と連携しながら、差別解消に向けた取り組みを推進してこられたと認識しております。  そこでお尋ねします。  条例制定から三年が経過する中で、条例の普及啓発や県民の理解等がどの程度進んでいるのか、検証を行う必要があると思いますが、知事の見解を求めます。  県では、県庁障害福祉課や大隅地域振興局、また大島支庁に障害者くらし安心相談員を配置し、当事者や家族、また事業者等からのさまざまな相談対応に当たってこられました。  そこで伺います。  現在、三カ所において障害者くらし安心相談員が配置されておりますが、当事者や家族等の相談体制を充実させるためにも、他の地域振興局・支庁にも配置の必要があると考えますが、県の考えをお示しください。  障害当事者の方々が今、最も不安視されることは、災害時の緊急対応であります。障害に対する理解がなければ、安全に避難することも食事をとることもできません。課題が山積する中で今後どのような取り組みをされるのか、示してください。  待機児童問題など、子供・子育て支援について伺います。  待機児童の解消につきましては、国の方針において、二〇一七年度末の待機児童ゼロを目指しておりましたが、目標達成に至らず、二〇一八年度からの三年間で二十二万人分の保育の受け皿を整備し、その後二〇二二年度までに十万人分を追加、五年間で合計三十二万人分を目指す方針を打ち出しています。  本県においても、ここ数年増加傾向に転じ、現在、六市町で待機児童がいるとのことであります。待機児童の増加の要因については、女性の社会進出による保育需要の高まりや、保育士不足による受け入れ体制などの問題があると言われておりますが、本県における女性の社会進出の現状はどうなっているのか。また、保育士確保については、その処遇改善も含めてこれまで取り組んできておられますけれども、改善は進んでいるのか。さらに、その他に待機児童増加の要因があればあわせてお示しいただきたいと思います。  次に、待機児童ゼロの目標を二〇一七年度としてきましたが、解消に向けてこれまでの具体的な取り組みと今後どのように対応していかれるのか、お聞かせください。  この問題の最後に、文科省などは来年度にも、幼稚園が二歳児の保育だけ加える運営形態を幼稚園接続保育などと名づけて解禁するとしておりますが、二歳児を預かるためには、保育室や保育士の確保、保育料など新たな課題も出てくると思われますが、その効果と課題への対応についてお聞かせください。  保育所の耐震化について伺います。  先日の新聞報道によりますと、県内の公立保育所で震度六強の地震への耐震性がない、もしくは耐震診断を受けていない建物の割合が、昨年の三月末時点で約三五%に上るとのことでありました。  厚労省の耐震化率調査では、政令指定都市や中核市を除いた中で、本県は全国の都道府県で四番目に低く、九州では最も低いということですが、そのような状況について県はどのように把握し対応してきたのか、お示しください。  今後、耐震化が急がれますが、施設を設置している市町村等との協議など、どのように取り組んでいかれるおつもりか、お聞かせください。  以上で、三回目の質問といたします。 19 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)まず、国保の制度改革についてであります。  平成三十年度の標準保険料率の算定については、本年十二月下旬に国から示される各種係数を用いて算定を行う必要がありますことから、来年一月に市町村に通知することになると考えております。なお、国からは、係数を示す時期に変更はない旨聞いております。  市町村国保における法定外一般会計繰り入れの取り扱いについては、最終的には市町村の判断によることとなりますが、これまでの市町村との協議において、保険料の負担軽減を目的とするもの等については計画的・段階的に解消を図っていく方針としております。  これまで市町村に交付されていた公費等の大部分について、来年度以降は県に交付されるなど、財政上の仕組みが大きく変わりますことから、市町村への交付額は変動するものであります。  保険料水準については、医療費水準に地域格差があり、平成三十年度から統一した場合、保険料負担の急変を招くなどの可能性がありますことから、市町村と協議した結果、当面、統一は行わない考えであります。なお、将来的な保険料水準の統一につきましては、引き続き市町村と協議してまいります。  続いて、普通調整交付金の見直しの動きについてであります。  国保の普通調整交付金については、現行では、医療費に応じて交付金が増減する仕組みであります。しかしながら、国の財政制度等審議会において、実際の医療費ではなく、各自治体の年齢構成のみを勘案した標準的な医療費水準を前提として交付額を決定する仕組みに改めるべきとの考え方が示され、本年六月に閣議決定されたいわゆる骨太の方針二〇一七においても、医療費適正化のインセンティブを効かせる仕組みへの見直しを検討するとされております。  本県市町村国保の平成二十七年度の年齢調整後医療費は全国第二位であり、仕組みが見直された場合、保険料の上昇が懸念されます。このため、全国知事会などを通じ、現行の仕組みの維持を国に要望しております。  続きまして、障害のある人もない人も共に生きる鹿児島づくり条例の普及啓発等についてであります。  条例については、その趣旨を広く県民に理解していただくことが重要でありますことから、毎年度街頭キャンペーンを実施するとともに、事業者への戸別訪問等により普及啓発を図っております。  条例の内容については、障害当事者や福祉関係の方々の間では一定の理解が進んでいるものと認識しておりますが、広く県民の方々にさらに理解を深めていただく必要があると考えております。なお、現在、障害のある方や事業者団体に対して、差別の現状や条例に関する理解についてアンケート調査を行っているところであります。  県としては、引き続き、県民の方々の条例に対する理解の促進に努めてまいります。  各地域振興局・支庁への相談員の配置についてであります。  障害者差別解消法において、地方公共団体は、障害者等からの相談に的確に応ずる体制を整備するものとされており、差別に関する相談について、まずは市町村や各地域振興局・支庁等の窓口で対応し、解決困難な事例については、障害者くらし安心相談員と連携して対応することが基本と考えております。  相談員に寄せられる相談のほとんどが電話相談であること、各地域振興局・支庁等においても相談対応を行っていることなどから、現時点では、相談員を新たに配置するような状況にはないものと考えております。  災害時における障害者への対応についてであります。  障害者など、みずから避難することが困難な方については、市町村が名簿を作成し、同意いただいた方については個別支援計画を策定することができることとされております。  県においても、モデルプランを作成し、市町村に国の考え方を踏まえた取り組みを要請してきたところであります。また、災害時に要配慮者を受け入れる福祉避難所の確保についても、積極的に取り組むよう要請しております。  さらに、避難所管理運営マニュアルモデルについて、新たに障害者への配慮の項目等を追加するなど全面的な見直しを行い、市町村マニュアルの策定や見直しを促したところであります。  今後とも、市町村に対し、障害者が円滑に避難できる体制づくりを働きかけてまいります。 20 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)本県の育児休業取得に関するお尋ねでございます。  国の働き方改革実行計画に掲げられた、子育てと仕事の両立や多様な女性活躍の推進を実現するためには、働きやすい職場環境づくりや男性の育児休業取得率の向上が極めて重要であると認識いたしております。  このような中、毎年県が実施している労働条件実態調査によりますと、平成二十八年度の正規労働者の育児休業取得率は、男性が前年度に比べ〇・七%増の二・七%、女性は前年度に比べ一・九%減の九〇・九%となっております。一方、有期契約労働者の育児休業取得率は、男性が三・二%、女性は八三・三%となっております。  県では、男性の育児休業取得率の向上に向け、これまで、広報誌やホームページ、労働セミナー等による育児休業制度の周知・啓発や、かごしま子育て応援企業の登録・紹介による企業の子育て支援の取り組み促進を図っておりますほか、鹿児島労働局等と連携し、男性の育児休業取得を促す助成金制度の周知、活用促進などに取り組んできております。  県といたしましては、引き続きこれまでの取り組みを進めるとともに、本年度から新たに取り組んでいるイクボスの普及啓発による機運の醸成等を通じて、男性の育児休業取得率の向上に向けた取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。 21 ◯総務部長(寺田雅一君)県庁内でのイクボス宣言の状況等についてでございます。  県庁内におきましては、六月初旬までに、知事を初め、両副知事、本庁各部局長及び地域振興局長等がそれぞれイクボス宣言を行ったところでございます。  今後とも、今回の宣言や次世代育成支援対策推進法等に基づく県特定事業主行動計画の趣旨を踏まえまして、職員の心身の健康保持や仕事と生活の調和を図るとともに、業務の効率化に取り組み、県民サービスの向上につなげてまいりたいと考えております。 22 ◯県民生活局長(中山清美君)子供・子育て支援に関し、まず、女性の社会進出の現状でございます。  平成二十七年における本県の女性の就業率は、二十歳代から五十歳代までは七〇から八〇%でありますが、出産・育児期に当たる三十歳代に落ち込みが見られ、いわゆるM字カーブを描いております。これを平成二十二年と比較しますと、就業率は各年代で上昇しており、特に出産・育児期の上昇の割合が大きく、M字カーブが緩やかになる傾向が見られ、女性の社会進出が進んできている状況がうかがえます。  次に、保育士等の処遇改善についてでございます。  国は平成二十七年度から、保育士等の賃金改善などの取り組みに応じて人件費を加算する処遇改善の制度を設けております。国の調査によりますと、本県においては、平成二十八年度末現在で、保育所など約五百施設のうち九割を超える四百七十六施設が賃金改善に取り組んでおり、保育士等の処遇改善が一定程度図られてきているものと認識しております。  さらに、今年度から、副主任保育士等の職を設けることにより、個々の技能・経験に応じた加算制度が創設されており、一層の処遇改善が進むものと考えております。  なお、待機児童の増加の要因につきましては、平成二十九年度に待機児童が増加した鹿児島市、姶良市にも確認いたしましたところ、保育需要の増加と保育士不足によるものとのことでありました。  次に、待機児童解消に向けての取り組みと今後の対応についてであります。  本県の保育所等の待機児童数は、平成二十九年四月一日現在、六市町で三百五十四人となっております。待機児童解消については、各市町村において、子ども・子育て支援事業計画に基づき保育所等の定員増を図っており、県としては、県子ども・子育て支援会議等を通じて市町村の取り組み状況を把握し、必要な支援や助言を行っております。平成二十一年度から二十八年度にかけて、約五千人分の定員増を図っており、今年度も、国の交付金等を活用して、約六百五十人分の定員増に向けた施設整備を支援しております。  各市町村においては、平成二十九年度末までの待機児童解消を目指して鋭意取り組んでおりまして、県としても、引き続き、市町村の取り組みを最大限支援してまいりたいと考えております。  幼稚園接続保育への対応についてです。  国は、新たな待機児童対策である子育て安心プランにおいて、働き方の多様化等により、二歳児の保育ニーズがさらに増大するとして、幼稚園における二歳児の受け入れを推進する幼稚園接続保育に取り組むこととしております。本県においては、こうした取り組みを通じて保育の受け皿が確保され、待機児童の解消に一定の効果が期待できるのではないかと考えております。  現時点では、施設整備や保育士の配置基準など具体的な運用方法などが国から示されておりませんので、県としては、情報収集に努め、国と連携しながら、幼稚園等への情報提供や助言を行うなど、事業の円滑な導入に努めてまいります。  保育所の耐震化への対応と取り組みについてです。  本県の公立保育所の耐震化率は、国の調査では、平成二十六年度で六三・三%、平成二十八年度は暫定値で六五・二%と約二ポイント上昇しております。耐震化が進まない主な要因は、財政負担が大きいことや施設の民営化の検討などが考えられます。  公立保育所の設置費用は、市町村において地方交付税措置されており、施設の耐震化は、おのおのの市町村の実情等に応じて主体的に対応されるものと考えておりますが、県としては、安心して子育てのできる環境づくりを推進するため、今後とも、さまざまな機会を捉えて、市町村に保育所の耐震化を促してまいりたいと考えております。    [前野義春君登壇] 23 ◯前野義春君 御答弁いただきました。  国保財政の県移管に関してでありますけれども、国民健康保険制度は、世界中に確たる日本の皆保険制度の中心的制度であります。国の財政破綻とも言える状況の中で、国費負担が削減され、年々県や自治体負担が厳しい状況での県移管でありますけれども、国に対しては、知事会など地方団体と連携した対応を求めるものであります。  次の質問に入ります。  人口減少や少子高齢化等が進行していく中で、地域の活性化につなげる方策として、今後ますます観光振興による交流人口の拡大への期待が高まるものと考えます。国内旅行市場が成熟化し多様化する中、さまざまなテーマを持った旅行や滞在型メニューの開発、地域素材の掘り起こし・商品化等により、さまざまなニーズに対応していくことが必要であります。来年の明治維新百五十周年や大河ドラマの放送、三年後の東京オリンピック・パラリンピックなどは、海外や国内からの観光客を呼び込む好機となることは論をまちません。  現在、観光立県かごしま県民条例に基づき、鹿児島県観光振興基本方針が策定され、さまざまな施策が進められております。PR基本戦略策定及びキャッチコピー見直しも含めた新かごしまPR戦略会議が設置され、鹿児島市や東京で検討会議が開催されました。  そこでお伺いします。  戦略会議では、ターゲットの設定について、従来の性別・年代による分け方ではなく、食、自然、温泉、歴史、文化などテーマごとの価値観による分類を行い、ターゲット設定を行うべきとの意見が出されておりますが、今後のPR基本戦略の展開と課題についてお聞かせください。  戦略策定後の実行計画策定などロードマップをどう描いていかれるか、お聞かせください。  七月末、鹿児島市のホテルで、県や特産品協会などの主催で、うんまか鹿児島輸出商談会があり、県内八十三企業・団体が出展し、国内外のバイヤーに県産品をアピールしたと伺いました。また、商談会では、事前に県内の生産現場を視察する催しもあり、参加者は、無添加食材などの自然食品に興味を持たれたとお聞きしております。  安全性の高い日本・鹿児島の食材のPRを海外も含めた取り組みが求められますが、今後の特徴的な取り組みを示してください。  観光産業を九州の基幹産業とする第二期九州観光戦略を踏まえ、九州のブランドイメージ戦略である温泉をアジアはもとより世界へ発信するため、九州一体となった新たな商品開発を進める必要があると考えます。  本県は、幸いにして有名な温泉が各地に点在しており、中でも指宿や山川の砂蒸し温泉などは、日本でも数少ない有数のスポットであります。また、県内各地の温泉は、水質や効能などそれぞれに特徴を有しており、観光戦略の目玉でもあります。九州各県のポテンシャルを生かし、温泉をキーワードとした観光戦略についてどう描いていかれるか、お聞かせください。  奄美世界自然遺産登録が実現しますと、本県は、屋久島と並び二つの世界自然遺産を持つことになります。この二つを周遊する観光ルートの構築や交通機能の充実・確保が必要と考えます。  そこで、屋久島や奄美群島間を結ぶ航路開設や大型客船の受け入れ体制、整備に向けた課題を今後どう進めていかれるのか。また、島々をめぐるクルージング、LCC路線の開設に向けた取り組みについてもお示しください。  また、奄美群島における体験型観光の商品開発の動きもお聞かせください。  学校現場における教職員の長時間勤務の問題は全国的な課題となっており、国会でのさまざまな議論の中で文部科学大臣が、「教職員の長時間勤務はもはや看過できない」として、教職員の働き方に関して中央教育審議会に諮問し、現在、中央教育審議会において議論が重ねられています。  県教委におかれては、昨年三月に設置した学校の業務改善推進委員会で、業務改善方針を策定する方向で作業を進めておられると思いますが、いまだに方針・計画は示されておりません。そのような中、本年八月二十九日、中央教育審議会・学校における働き方改革特別部会から、学校における働き方改革に係る緊急提言が示されました。  そこでお尋ねします。  緊急提言においても、教育委員会は強い危機意識を持ち、早急に所管する学校に対する時間外勤務の削減に向けた業務改善方針・計画を策定するよう明記されていることを鑑みれば、今年度中には策定すべきであると考えますが、明快な答弁を求めます。  通常、公的機関における勤務時間外の電話等の問い合わせに対しては留守番電話が設置されておりますが、学校現場では時間外でも対応している実態があります。提言の中にも、勤務時間外の問い合わせに対応するため、服務監督権者である教育委員会は、緊急時の連絡に支障がないよう連絡方法は確保した上で、留守番電話の設置やメールによる連絡対応を初めとした体制整備のための支援を行うことになっています。  本県においては、このような体制整備がどれぐらい進んでいるのか。また、取り組みが進んでいない、学校を所管する教育委員会に対しどのような支援を行っていくのか、お尋ねいたします。  緊急提言の中で、夏休み等の長期休業期間においては一定期間の学校閉庁日の設定を行うことも明記されております。こうした点について、PTA等の協力も得ながら、保護者や地域住民等の理解を得るための取り組みを推進することが求められております。  そこで、長期休業期間に一定期間の学校閉庁日を設定している県立学校並びに市町村教育委員会がどれぐらいあるのか、お答えください。
     また、今回の緊急提言を受けて、学校閉庁日の設定がなされていない県立学校並びに市町村立学校を所管する教育委員会に対し、県としてどのような対策を講じていかれるのか、見解をお示しください。  昨年度から、労働安全衛生法に基づくストレスチェックを実施することとなっており、昨年度の人事委員会報告・勧告において、職場における労働者の安全と健康の確保は事業者の責務であり、任命権者においては、法及び制度の趣旨を十分に踏まえ、ストレスチェックを円滑に実施し、その結果を活用して、セルフケアの推奨や職場環境の改善等について取り組みを進める必要があるとの趣旨が報告されております。  そこでお尋ねします。  本年度、ストレスチェックを実施もしくは実施予定の市町村教育委員会の数をお示しください。  また、実施予定のない市町村教育委員会に対して、今後どのような対策を講じていかれるのか、お答えください。  警察行政と国道を含む道路の維持管理についてであります。  通告しました一項目、二項目は、昨日の代表質問と重複しておりますから割愛させていただきます。  県内の主要道路では、公安委員会が所管する路面標示の劣化が多く見られ、特に降雨時の夜間走行などに影響を及ぼす状況が指摘されております。  今後、本県は、明治維新百五十周年や大河ドラマの放送、国体などのイベントがめじろ押しとなってまいります。県外車両や県外客の往来も十分に予想され、来訪者にとりましては、こうした道路環境の路面標示や案内標識、植栽、除草や清掃といったものは、鹿児島で最初に触れる印象となります。  こうした観点からお伺いしますが、道路標示などの改修基準や改修の目安、調査体制とあわせて、当面の改修計画の考え方をお示しください。  また、総合的な点検と年度を限定した集中的な予算措置で事業化し、改修・改善が必要と考えますが、見解を求めます。  以上、四回目の質問といたします。 24 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、PR戦略におけるターゲット設定の課題等についての御質問でございます。  ターゲット設定につきましては、性別、年代により設定するものではなく、食や自然、歴史、文化などそれぞれのテーマに着目し、設定する必要性を掲げることといたしております。そのことによりまして、従来とは異なるPR手法の展開も可能となると思われますが、まずはテーマごとの対象を的確に把握することが課題になるものと考えております。  新しいPR戦略の期間は五年間を想定しておりまして、その間に開催されます明治維新百五十周年等のイベントや知事トップセールス等の中で、戦略に基づき、県産品の販売促進や観光誘客につながるPRを行っていくことといたしております。また、メディア視点を意識した話題づくりやICTを最大限活用したPRに努めるとともに、適宜PRの効果検証を行いながら、より効果的なPRを行ってまいります。  次に、鹿児島の食材PRの取り組みについてでございます。  本県食材のPRにつきましては、これまでも、関係機関・団体と連携し、知事トップセールスに加え、首都圏等の百貨店や量販店等でのフェアを展開しておるところでございます。これに加えまして、今年度から新たに、首都圏等の高級スーパーや高級レストランのトップシェフへの売り込み、フェアの開催等を通じて、鹿児島の食のブランド力アップを強力に推進することといたしております。  また、うんまか鹿児島輸出商談会につきましては、県及び関係機関・団体が連携したことで、二十九社もの海外バイヤーを招聘するとともに、この商談会に合わせて、県内各地九コースの産地視察を行い、バイヤーに県産品への理解を深めていただきました。なお、この商談会の結果をもとに今後、海外で鹿児島フェアを開催することといたしております。  今後とも、今年度策定いたします新たなPR戦略や農林水産物の輸出促進ビジョンを踏まえ、国の内外において、県産品の認知度向上や販売促進に積極的に取り組んでまいります。  次に、温泉をキーワードとした九州一体となった観光戦略についてでございます。  九州の観光資源としての温泉は、泉源数、湧出量ともに日本一を誇り、また、日本で唯一の天然砂蒸し温泉があるなどの強みを有し、外国人観光客に人気が高いことから、九州観光推進機構では、九州ブランドイメージ戦略として、温泉を切り口に国内他地域との差別化や認知度向上を図っております。  さらに、温泉をテーマとしたロゴマークや、温泉のほかダイナミックな自然、豊かな食文化など、九州各県の多様な魅力を楽しむことをコンセプトとする温泉アイランド九州広域観光周遊ルートを活用した誘客にも取り組んでいるところでございます。  次に、屋久島や奄美群島における大型客船の受け入れ体制等についてでございます。  屋久島や奄美群島での大型客船の受け入れ体制につきましては、奄美の世界自然遺産登録により、国内外からの観光客が増加することが見込まれますことから、通訳案内士や自然等の魅力を伝えるエコツアーガイドの育成に取り組むとともに、主要な道路や観光地等における外国語表記の案内板の整備等を行うことといたしております。  島々をめぐるクルージングにつきましては、本土と世界遺産を有する島々を結ぶ世界遺産クルーズの提案を行っております。また、奄美の世界自然遺産登録の効果を群島全体に波及させることを目的として、アイランドホッピング事業に取り組んでおり、交通事業者や観光関係者、行政による検討会の実施、旅行会社等が参加した奄美大島、喜界島、徳之島をめぐるモニターツアーなどを実施したところでございます。  今後は、船舶や航空機などを組み合わせた旅の提案や、島々をつなぐルートの確立と旅行商品の開発・造成を行うことといたしております。  奄美群島での体験型観光の商品開発の動きにつきましては、まち歩きやアマミノクロウサギナイトツアーなどの各島の多様な体験型観光プログラムを提供する、あまみシマ博覧会を実施するなど、奄美群島一体となって体験型観光の商品化に取り組んでいるところでございます。 25 ◯企画部長(東條広光君)屋久島─奄美群島間を結ぶ航路、LCC路線の開設についてであります。  屋久島と奄美群島間の周遊性を向上させるためには、両地域を直接結ぶ航路等の開設が必要と考えております。特に、定期航路等の開設には採算性を踏まえた事業者の意向が重要であり、航路については既存航路に対する影響、LCC路線については屋久島空港滑走路延長の不足などの課題があるものと考えております。  県としては、航路等の開設については、事業者を初めとした関係者と連携しながら、その可能性について検討してまいりたいと考えております。 26 ◯土木部長(渡邊 茂君)屋久島や奄美群島における大型客船に対応した港湾整備についてでございます。  クルーズ船に対応できる港湾につきましては、これまで名瀬港、宮之浦港や平土野港で岸壁を整備してきたところであり、名瀬港には八万トン級、宮之浦港や平土野港については三万トン級のクルーズ船が寄港しております。さらに大型のクルーズ船を受け入れるためには、岸壁の長さや水深が不足していること、港内で旋回する水域が狭いことなどの課題があると考えております。  奄美の世界自然遺産登録が実現しますと、本県の観光にとって非常に大きなセールスポイントになることから、より多くのクルーズ船を受け入れられるよう、既存施設の有効活用も含めて、地元とも連携を図りながら、受け入れ環境の整備に努めてまいります。 27 ◯教育長(古川仲二君)学校現場における教職員の業務改善に関するお尋ねのうち、まず、業務改善方針・計画の策定についてであります。  先般、中教審の特別部会からなされた緊急提言におきましては、学校及び教職員の業務改善の取り組みを強く推進するため、教育委員会において、所管する学校に対する業務改善方針・計画を策定することなどが示されたところであります。  県教委といたしましては、国の働き方改革に向けた取り組み等も踏まえながら、本県の実情に即した業務改善方針について、本年度中を目途に策定することにいたしております。  また、中教審において、教職員が担うべき業務のあり方及び役割分担等について審議されているところでございまして、これらの議論の動向を踏まえますとともに、今回、九月補正予算案に計上いたしております、学校現場における業務改善加速事業において、モデル地域での勤務実態の把握や時間管理の徹底、専門スタッフとの連携・分担などの実践研究を予定いたしておりまして、それらの成果を踏まえまして、本年度策定いたします業務改善方針に基づく具体的な取り組みについても検討してまいりたいと考えております。  次に、勤務時間外の問い合わせ対応のための体制整備及び学校閉庁日の設定状況等についてであります。  緊急時を除いた勤務時間外の問い合わせへの対応状況については、留守番電話は、小・中学校及び県立学校の約二%の十五校で設置いたしておりまして、メールは、約六二%の五百四校で対応が可能となっているところでございます。また、長期休業期間中における学校閉庁日につきましては、鹿屋市、曽於市及び錦江町の二市一町の六十八校において実施されているところでございます。  こうした勤務時間外の問い合わせのための体制整備や長期休業期間中の学校閉庁日の設定につきましては、教職員の業務改善の有効な手段の一つであると示されておりまして、留守番電話やメールの特性、そして学校や地域の実情等を踏まえた対応がなされるよう、PTA等の意見も承りつつ、各市町村教育委員会とも連携しながら検討してまいりたいと考えております。  次に、ストレスチェックの実施状況等についてであります。  本年度、学校職員についてのストレスチェックを全ての学校で実施もしくは実施予定の市町村教育委員会は、二十九市町村でございます。残る十四市町村のうち三市町村については、来年度からの実施を予定いたしておりまして、また、十一市町村につきましては、実施に向けて検討しているところであると聞いております。  県教委といたしましては、ストレスチェックの実施は、教職員自身のストレスへの気づきを促し、職場改善につなげ、メンタルヘルスの不調を未然に防止するという観点から重要であると考えております。このことから、市町村によって実施に差異が生ずることがないように、教育長会や指導主事等会議など各種会議において、市町村教育委員会に対してなるべく早い体制整備を依頼しているところでございます。  今後とも、全ての市町村教育委員会で本制度が導入され、教職員が意欲と使命感を持って教育活動に専念できる労働環境の確保に努めてまいりたいと考えております。 28 ◯警察本部長(河野 真君)道路標示の改修についてであります。  横断歩道や信号停止線など、公安委員会が管理する道路標示の点検については、交通規制課長と各警察署長等を管理責任者に指定して、各警察署の交通課及び地域課の警察官による日常の警察活動での点検や、県下一斉に行う定期点検のほか、民間業者に委託して、その点検結果に基づいた保守管理を実施しております。  道路標示の改修については、おおむね五年以上経過したものを更新しておりますが、交通状況等により摩耗や劣化の進行度も異なることから、改修の必要性が高い箇所から優先的に進めているところであります。  今後も、国民体育大会などの開催を見据え、道路管理者とも緊密な連携を図り、計画的な道路標示の整備を推進して、安全かつ快適な道路環境の実現に努めてまいりたいと考えております。    [前野義春君登壇] 29 ◯前野義春君 それぞれ御答弁いただきました。  道路の標示等に関してですけれども、道路交通の安全性向上とあわせて、何としても鹿児島のイメージアップにつながる取り組みを強く要望しておきたいと思います。  さて、今回は十二項目にわたり代表質問を行ってまいりました。  私は、畜産が盛んな大隅・鹿屋の出身であります。近年の子牛市場の好況は、地域の畜産業に活力を与えている状況があります。加えて、このたびの第十一回全国和牛能力共進会で鹿児島県の総合一位、団体賞を獲得したことに、改めて、出品者はもとよりJA関係者、県肉改研、県農政部畜産課、地域振興局、和牛登録協会、そして自治体関係者の御努力に心からの称賛とねぎらいを申し上げたいと思います。  過日、宮城全共を前にして鹿屋・肝属地区の出品者激励会に案内いただき、関係者との懇談会に参加しました。そこでは農家から、この全共にかける地域振興局やJA、自治体等の技術員の皆さんの人知れない取り組みと、昼夜を分かたぬ努力の話に感銘を受けました。  紹介しますと、技術員の方々が、生産農家が朝起きるころには既に農家の牛舎に来て、牛を引き出し、その手入れをし、運動させてくれる。聞きますと、出品者の一農家に複数の技術員が張りつき、他の出品牛とともに、まさに切磋琢磨しながらお互いの担当牛を仕上げていった。畜産技術員として、五年に一度の和牛のオリンピック、県内技術員の意気込みを感じました。「これだけ技手さんがしてくれる。我々も気張らんといかん」と、農家の意識も徐々に変わっていったと伺いました。こうした農家・技術員一体となった活動がかち得た栄冠だと思います。  また、宮城まで一千七百キロメートルの遠距離リスク対策も周到に行われました。運送車両は、ルート選択と渋滞回避、牛への影響を最小限にとどめるルートの選択、休憩場所等を選択するために事前に試験走行もしております。情報を収集して、本番運送では県の獣医や技術員も同乗して、実に二泊三日、四十四時間を要したと伺いました。  私は、スポーツもそうですが、何の競技にあっても裏方さんの縁の下の力持ち的な、決して表舞台に出ない方々の存在が当事者とともにあることを訴えたいと思います。今回の総合優勝はまさに総合力であります。どうか知事におかれては、関係技術員の皆さんと会う機会を捉えて、ねぎらう言葉の一言もかけていただきたいと思います。  以上、今後とも、山積する県政の課題について真正面から向き合って、県民の期待に応える県議会活動を展開することを申し上げ、県民連合の六名を代表しての質問を終了いたします。  時間が超過しました。議長の御高配に感謝申し上げます。  御清聴いただきありがとうございました。(拍手) 30 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後零時 一分休憩       ───────────        午後一時十五分再開 31 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  松田浩孝君に発言を許可いたします。    [松田浩孝君登壇](拍手) 32 ◯松田浩孝君 平成二十九年第三回定例会に当たり、公明党県議団を代表して質問いたします。  この夏は、八月上旬には台風五号が奄美北部から県本土付近を通過し、記録的な大雨や暴風が発生、九月上旬には喜界島において、総降水量五百ミリを超える五十年に一度の記録的豪雨に見舞われ、崖崩れや土石流等が発生し、この二つの災害で二名の方が亡くなられ、住宅の損壊や床上浸水など大きな被害が発生いたしました。また、先日の台風十八号においても、特に県外にて多大な被害がありました。  亡くなられた方々の御冥福を御祈念申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げ、早急な復旧への取り組みをなされるよう要請いたします。  一方、大変うれしいニュースがありました。九月十一日、宮城県仙台市で開催された五年に一度の和牛のオリンピックと呼ばれる第十一回全国和牛能力共進会で、県代表の黒牛は九部門中四部門で一位を獲得し、十五年ぶりの日本一に輝きました。  さらに、五年後の第十二回に向けて特筆すべきことは、高校生の部で市来農芸高校が全国五位に入賞したこと、そして今回の全共には県内の二十代、三十代の若手生産者が多く参加したとのことであります。この若い力が鹿児島の畜産を引っ張って、やりがいのある職種として関心が高まることを期待して、通告に従い、質問してまいります。  初めに、知事の政治姿勢について、マニフェストの進捗状況の発表に関連して伺います。  知事は、昨年七月の就任以来、マニフェストに掲げる施策の実現に向け、全力で取り組み、ほとんどの項目で実施または実施に向けた取り組みを行ってきたとして、知事就任一年を機に、マニフェスト等の進捗・取り組み状況について公表されました。  その中でも、七、各種メディアの活用とトップセールスでは、三ページにわたって紹介され、これまでの経験を生かして取り組まれました。また、十三、災害発生後の生産者支援についても、被災地を訪問され、スピード感を持って取り組まれました。  一方、四、空港周辺にアウトレットモールやテーマパークを誘致については、既存業者への情報収集活動の実施と、二行の記載でありました。二十三、生活困窮家庭に対する小・中学校の給食無料化については、市町村の実態を把握され、充実に向けた取り組みを要請と書かれていますが、実態把握の結果については記述がありません。  また、全般的に取り組まれた内容が書かれていますが、参考となる数値がありません。当初予算後の進捗の中なので表現するのが難しいところではありますが、来年度に向けては、参考指標として、何がよくなったのか、変わったのかを示し、よりわかりやすくすべきと苦言を申し上げておきます。  そこで伺う第一点は、マニフェストの進捗状況の公表の方法について、知事のお考えをお伺いするとともに、数値での評価をもっと入れるべきと考えますが、いかがでしょうか。  第二点は、マニフェストは知事と県民との約束でありますので、しっかり取り組まれるのは当然のこととして、知事に就任されて見えるようになったこともたくさんあると思料いたします。毎年、進捗状況の発表と同時に、内容の見直しも検討されるべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、新たな県政ビジョンについて伺います。  知事は、かごしま将来ビジョンが策定されて十年を迎えることから、中長期的な観点から、本県のあるべき姿、今後の県政の進むべき基本的な方向性・戦略を示す新たなビジョンを策定する方針を示されました。六月十四日には鹿児島で、七月二十日には東京で、県政ビジョン策定有識者委員会を開催されたところであります。  本年第一回定例会で、新たな県政ビジョン策定の必要性について、「現在、我が国は、少子化の進行や超高齢社会の到来、急速なグローバル化の進展など、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えております。国、地方ともに厳しい財政環境にあり、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組まなければなりません」と述べられました。急速なグローバル化の進展、少子化の進行、超高齢社会の到来、厳しい財政環境の言葉は、かごしま将来ビジョンの文章をコピーしたように同じような言葉であり、同じ認識でありました。  先日、新たな県政ビジョンの骨子案が示されました。  第二章、時代の潮流と鹿児島の現状・課題が九項目述べられています。第三章、鹿児島のポテンシャルは、かごしま将来ビジョンでは鹿児島の主な特性という表現ですが、同じような項目になっています。第四章、鹿児島の目指す姿は、人、暮らし、産業に着目ということで、かごしま将来ビジョンの安心・安全、活力・快適、共生・有徳から表現が変わっております。また、施策展開の基本方向は十二項目で、かごしま将来ビジョンの挑戦すべき課題と取り組みの方向性十項目より、二項目ふえております。  いずれにしても、類似した項目、表現も多く、過去十年間と今後の十年間の時代の潮流をどのように捉えているのかが明確ではありません。  そこで伺う第一点は、かごしま将来ビジョンの十年間の取り組みの総括と、今後の十年間の大きな違いについての知事の見解をお伺いします。  第二点、東京地区の県政ビジョン策定有識者委員会にはどのようなことを期待しておられるのか、同委員会における主な意見にはどのようなものがあったのか、また、それらの意見をどう反映させていくのか。あわせて、新たな県政ビジョン策定までの今後のスケジュールについてお伺いします。  次に、財政運営に関連して伺います。  県は、平成二十八年度一般会計決算について、歳入歳出とも二年ぶりに前年度を下回る見込みで、歳入から歳出と翌年度繰越分を差し引いた実質収支は五十二億八千四百万円の黒字となったと発表されました。  歳入は、前年度比一・四%減の八千百五十五億四千万円、企業の業績回復などから県税収入はふえたものの、地方交付税と、国が後から交付税で措置する臨時財政対策債を合わせた実質的な交付額は一・五%減でありました。県債の累積残高は前年度比〇・七%減の一兆六千三百二十八億五千百万円、県独自分は二・三%減の一兆一千二百七十三億四千九百万円とし、十三年連続で改善いたしました。  また、県は、平成二十四年に策定した行財政運営戦略で、県独自分の県債残高を一兆一千億円に抑える目標を掲げています。  そこで伺う第一点は、県債残高縮減への取り組みの現状と、行財政運営戦略で掲げた県独自分の県債残高の目標達成への課題についてお伺いするとともに、行財政運営戦略を見直すべきと考えますが、いかがでしょうか。  総務大臣は、平成二十九年度当初予算で配る普通交付税は、千六百八十九自治体で計十五兆三千五百一億円になると閣議で報告しました。配分総額は、企業の設備投資に伴う固定資産税などの伸びが見込まれるとして、前年度に比べて二・二%、三千四百八十二億円少ない。鹿児島県は二千六百四十六億円と発表されました。  また、「平成三十年度予算の概算要求で、自治体に配分する地方交付税を本年度当初より四千億円少ない十五兆九千三百億円とする方針を固めた。減少額は、借金である臨時財政対策債の発行をふやして補い、社会保障分野の支出の増加に対応する」と報道されました。  第二点は、国の平成二十九年度普通交付税の配分額決定の影響及び、平成三十年度予算の地方交付税の方針に対する本県への影響と今後の取り組みについてお伺いします。  県行財政改革推進プロジェクトチームは、第二回の会合を開き、平成三十年度予算編成で歳出カットをしなかった場合、一般財源ベースで七十八億円不足するとの試算を発表されました。あわせて、平成二十九年度事務事業見直しの実施状況、歳入確保に向けたさらなる取り組みについて示され、特に、事務事業見直しでは、行財政改革に向けて厳しい覚悟を持って取り組む厳しい行革と、部局横断的改革で事業の相乗効果を生み出す攻めの行革の視点を持って取り組むと発表されました。  第三点は、厳しい行革、攻めの行革について具体像をお示しいただくとともに、歳入確保の目標についてお伺いします。  次に、総務行政について、初めに、防災・減災対策について伺います。  本年五月末に県議会総務委員会として口永良部島を訪問し、区長を初め、消防分団長等の代表の方々と意見交換させていただきました。そこでいただいた御要望についてはきちんと回答をお返ししたいとの各委員の思いで、総務委員会の所管外の案件もありましたので、委員長・副委員長の采配で、勉強会という形で県の担当部局と意見交換し、回答をまとめて住民代表に送付いたしました。
     私は、この八月に口永良部島を再度訪問し、区長さん方と再会、この回答の内容等について、再度意見交換いたしました。また、その後、「天皇皇后両陛下が屋久島、口永良部島、与論島を御訪問される方向で宮内庁が検討を進めている」との報道に大変に喜ばれていました。  今夏の台風五号の被害では、奄美市住用の集落が土砂崩れで一時孤立し、移動や物資の運搬を漁船に頼る不便な生活を強いられる状況になりました。私も八月十一日に被災地を訪問し、戸玉集落、市集落で住民に御要望をお聞きしました。また、九月の豪雨による喜界島の災害も視察し、意見交換しました。  知事は就任後、さまざまな災害発生に対してスピードを持って対応され、口永良部も住用も訪問され、地元の御要望をお聞きされたようであります。  そこで伺う第一点は、口永良部島にしても、住用の戸玉・市集落にしても、発災時にどうやって命を守る道路整備をするかが課題であります。知事はそれぞれの御要望にどのように対応されたのか、お伺いします。  また、道路整備は一義的には道路管理者が行うべきではありますが、県としてどのように対象市町村と連携し取り組むのか、お示しください。  第二点、住用では、停電は早期に回復しましたが、電話の復旧がおくれたとお聞きしました。携帯電話は通じるが家の電話が使えず、携帯電話を持たない高齢者の安否確認や体調の確認ができなかった。電気の復旧については応急処置で対応できるが、電話線については電柱の整備に合わせておくれる現状から、電話会社と協定して、臨時の携帯電話の貸し出し等を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。  文科省は八月二十九日、災害時の避難所に指定されている全国の公立学校の防災機能に関する調査結果を公表しました。本年四月一日時点で、断水時に水洗トイレにかわる機能を備えている学校は半数にとどまりました。昨年四月の熊本地震では、こうした機能を確保できず避難者が体調を崩すケースなどもあったことから、文科省は、各教育委員会に取り組みの強化を求めています。  調査は、公立小・中学校、高校、特別支援学校三万三千六百三十八校のうち、避難所に指定されている三万九百九十四校を対象に実施、災害発生から、住民が避難し、救援物資が届き始めるまでの数日間に必要となる機能を調べました。携帯トイレやマンホールトイレなどのトイレ機能を確保している学校は四九・五%、非常用の自家発電設備などで電力を賄えるのは五三・四%、校内などに倉庫を持ち物資の備蓄機能があるのは七二・〇%、貯水槽やペットボトルの備蓄などにより飲料水を確保しているのは六六・四%でありました。  第三点は、本県における公立学校の避難所指定の状況及び防災機能・備蓄の現状及び今後の取り組みについてお伺いします。  また、トイレについては、使用できたとしても洋式が少なく、子供や高齢者が困るケースがあります。洋式をふやすべきと考えますが、現状と今後の取り組みについてお伺いします。  「実践 地域防災力の強化」をまとめた島田明夫東北大学大学院教授は、「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律によれば、地域防災力とは、住民一人一人がみずから行う防災活動、自主防災組織、消防団その他地域における多様な主体が行う防災活動、そして公共機関と連携し確保される地域の防災体制及びその能力であると定義されています。自助である個々の防災力はもちろん、地域の共助への期待は一層高まっています。さらに、地域防災力を高めるための資格としての防災士に期待しています。二〇一七年二月末までに十二万六千二百四十人の防災士が認定され、防災士の取得を積極的に奨励する大学も出てきています。また、女性の防災活動への参画も重要なテーマであります」と訴えています。  第四点は、本県における自主防災組織の現状と課題、防災士認定の推進及び女性の防災活動の取り組みについてお伺いします。  災害時における透析患者や人工呼吸器を必要とする患者、喀たん吸引の必要な難病患者等の要配慮者の避難は、東日本大震災、また熊本の地震等においても問題点とされました。自宅から避難所、そして福祉避難所に移送しなければなりません。特別支援学校の福祉避難所への活用については、昨年十二月議会でも質問いたしましたが、市町村との協議を強く進めていただきたい。その上で、発達障害児者等の避難所での配慮も必要であります。当事者や家族が安心して避難できる場の確保など、これまでの教訓が生きるように整備を進めなければなりません。要支援者を明確化する手段、内服薬の記録や確保も必要であります。  また、東京都と沖縄県においては、人工呼吸器等を使用し在宅療養する難病患者等に対して、停電時に対応する電源確保のための自家発電装置の貸し出しを行っています。  第五点、災害時の避難対策の現状と課題、今後の取り組みについてお伺いするとともに、即座に避難所に行けない難病患者等の電源確保のために、自家発電装置の貸し出し補助事業の実施を提案いたしますが、いかがでしょうか。  次に、幼保連携に関連して伺います。  政府は六月、経済財政運営の基本方針となる骨太の方針と、新たな成長戦略、未来投資戦略二〇一七を閣議決定し、経済成長を持続させるため、人材への投資を強化、幼児教育の段階的無償化に取り組むとしました。また、財務省は、各省庁が提出した二〇一八年度予算概算要求の一般会計総額が、二〇一七年度当初予算比三・六%増の百兆九千五百八十六億円になったと発表しました。このうち、人づくり革命の目玉政策に挙げられる幼児教育無償化は、金額を明示しない事項要求となりました。予算編成作業では、無償化の対象や時期などについて具体的な検討が進められる一方、安定的な財源探しも課題であります。  肝付町では、過疎債を活用して、三、四、五歳を実質無償化しておるようです。また、現在、認定こども園の利用定員については、一号認定子どもと二号認定子どもを分けて設定しているため、双方の空きがあっても入れない状況にあります。三歳児、四歳児、五歳児と年齢による利用定員のほうが待機児童解消につながると考えます。  そこで伺う第一点は、国の幼児教育無償化に対する認識と、肝付町など各市町村の取り組みについてお伺いするとともに、利用定員の配慮に対する認識についてお伺いします。  文科省は、地方自治体に幼児教育センターの設置と幼児教育アドバイザーの育成配置について、推進体制を構築するためのモデル事業に取り組んでいます。国の助成を受けないで県単独で実施し、大きな成果を上げている県もあると聞きました。  第二点は、幼児教育センター、幼児教育アドバイザーの全国での取り組み状況についてお示しいただくとともに、本県での取り組みについてお伺いします。  県では、療育手帳等を所持している心身障害幼児二名以上の園に対し、私立幼稚園特別支援教育費補助の助成を実施しております。しかし、現状では、気になる子供、いわゆるパステルゾーンの子供が一定割合いると言われています。これらの子供は、診断こそつきませんが、支援は診断のつく子と同程度必要と言われており、心身障害幼児の認定について配慮し、職員の加配ができる環境づくりが必要とされています。また、幼稚園と発達支援事業所の連携の場をつくり、保護者に療育の必要性を認識させる研修も必要であると考えます。  第三点は、発達障害児やパステルゾーンの幼児に対する支援について、課題と今後の取り組みについてお伺いします。  県立学校や公立小・中学校の耐震化は大きく進みました。しかし、幼稚園・保育所・認定こども園の園舎等の耐震化の課題が報道されました。また、災害時における水などの備蓄品やそのための倉庫なども必要であります。  第四点は、幼稚園・保育所・認定こども園の耐震化や備蓄の現状と課題、今後の取り組みについてお伺いし、一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 33 ◯知事(三反園 訓君)お答え申し上げます。  マニフェストの進捗状況の公表についてのお尋ねがありました。  去る七月二十八日の就任一年を機に、私が口頭で申し上げたことも含めまして、マニフェストに掲げた四つの政治姿勢と四十一項目の施策につきまして、マニフェスト等の進捗・取り組み状況として取りまとめ、公表いたしました。  私のマニフェストは、県民の皆様と一緒に、新しい力強い鹿児島をつくるための基本的な方針をお示ししたものであり、取り組み状況を進捗率でお示しすることは難しかったところであります。今回、就任一年の公表に当たりましては、マニフェストのそれぞれの項目について、どのように進んだのか具体的に取り組みや成果等を記載して、県民の皆様にできるだけわかりやすくお示ししたところでもあります。二年目以降、マニフェストの進捗状況につきましては、県民の皆様にさらにわかりやすくなるように努めながら、公表したいと考えております。  マニフェストの見直しについてのお尋ねがありました。  マニフェストは、県民の皆様と一緒に、新しい力強い鹿児島をつくるための基本的な方針と各種施策を掲げた県民の皆様との約束であります。マニフェストには、四つの政治姿勢と鹿児島を日本一にする六つのお約束として、観光や農林水産業に係る施策など四十一項目を掲載したところであります。  マニフェストに掲げた施策の中には、速やかに行うべきものと、ある程度長い時間をかけてじっくりと進めるべきものとがあると考えております。本県を取り巻く社会経済情勢や県議会の御意見、財政状況等も踏まえ、優先順位を判断しながら、四年間の任期中に実現できるよう、また方向性を示せるように努力してまいりたいと考えております。  特に力を入れる必要性を強く感じております子育て支援や高齢者の生きがいづくりにつきましても、保育士の処遇改善、保育所等の定員増を伴う整備の促進、高齢者を対象とした県有の常設展示施設の入館・入園料の無料化などを実施しておりますほか、かごしま青年塾の開講、女性活躍に積極的に取り組む企業の表彰制度の創設など、できるものからさまざまな分野で取り組んでいるところでもあります。  県政においては、中長期的な視点で取り組まなければならない施策もありますことから、財政状況等を勘案しつつ、引き続き具体化を検討し、県議会の皆様の御意見も伺いながら、マニフェストの実現に向けて一歩一歩着実に取り組んでまいりたいと考えております。  厳しい行革、攻めの行革の具体像についてでございます。  県では、今後も一層厳しい財政状況が続くことが見込まれる中で、本年四月に副知事を座長とする行財政改革推進プロジェクトチームを設置し、その中で、事務事業見直しを初めとする行財政改革の取り組みについて検討しております。  先日開催いたしました第二回会合におきましては、事務事業見直しを進めるに当たりまして、厳しい行革と攻めの行革の二つの視点を持って取り組んでいくこととしたところであります。具体的には、当初の目的を達成している事業の見直しや、これまでの実績等を勘案して規模を是正する見直しなど、厳しい行革が必要であると考えております。一方で、厳しい行革だけではなくて、効率性を考慮しながら、時代のニーズに合った事業となるような見直し、部局横断的な事業統合・連携などにより相乗効果を生み出せるような見直しなど、攻めの行革も必要であると考えております。  県といたしましては、県勢の発展や県民福祉の向上に資する事業につきまして積極的に推進しつつ、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。 34 ◯企画部長(東條広光君)かごしま将来ビジョンの総括と今後十年間の大きな違いについてであります。  かごしま将来ビジョンにおいては、安心して暮らせる安全な社会、快適で活力あふれる社会などを目指すべき姿として掲げ、持続可能な行財政構造の構築などの課題と取り組みの方向性を提示したところであります。  県では、これに沿って各般の施策・事業に積極的に取り組み、財源不足の解消、こども総合療育センターの設置、高規格幹線道路の整備、共生・協働の取り組みの進展などの成果を得たものと考えております。  今後の十年を展望するには時代の潮流を的確に捉える必要がありますが、過去十年間と比較しますと、人口減少や少子高齢化の著しい進行、グローバル化や革新的技術の一層の進展など、本県を取り巻く情勢には大きな変化が生じているところであります。  例えば、本県の総人口の減少は、平成十七年までの十年間で二・三%減の約四万一千人の減少であったのに対し、平成二十七年までの十年間では六%減の約十万五千人が減少し、今後さらに大幅な減少が予想されております。高齢化率は、平成十七年は二四・八%であったのに対し、平成二十七年には二九・四%となっており、今後もさらに上昇することが予想されております。  また、本県の外国人延べ宿泊者数は、平成二十八年は約四十八万一千人と五年間で五倍以上に急増し、県産農林水産物の輸出額は、平成二十八年度は約百五十五億円と五年間で二・六倍に増加しております。さらに、スマートフォンやSNSが一般化するとともに、IoT、AIなどの革新的技術が急速に進展してきております。  このほか、子供の貧困や働き方改革など、新たな課題への対応が求められている状況にあります。  次は、東京地区の有識者委員会とビジョン策定スケジュールについてであります。  東京地区の有識者委員会は、本県のあるべき姿や進むべき方向性等について、本県にゆかりのある県外在住の学識経験者から幅広い御意見を伺いたいと考え、設置したものであります。  先般七月に開催しました委員会では、「農林水産業をハイテク化すれば全国一の農林水産物の輸出県になれる可能性が高い」、「人口減少下でも革新的技術の活用により地域の競争力を高められる」といった意見、「高校・大学卒業後に県外流出が多い状況などを踏まえ、IT教育とともに郷土愛を育てる教育に力を入れることが大切」、「県内企業の魅力を知ってもらうためにインターンシップの機会を拡大すべき」、「若い人たちが帰ってくるような子育てや教育環境の整備が有効」などの意見をいただいたところであります。  こうした御意見は骨子案作成の参考としたところであり、素案の作成においても施策展開の方向などへ反映させたいと考えております。  骨子案については、今定例会で県議会の御意見等をいただいた後、有識者委員会でも御議論いただくこととしております。その後、これらを踏まえ、ビジョンの骨子案を整え、肉づけを行い、素案を次期定例会に、そして最終案を来年の第一回定例会にお示しし、パブリックコメントなどを通じまして県民の皆様の御意見をいただきながら、本年度末を目途にビジョンを策定したいと考えております。 35 ◯総務部長(寺田雅一君)県債残高縮減への取り組みの現状・課題、行財政運営戦略の見直し等についてお尋ねいただきました。  本県の県債残高につきましては、財政規模が類似している他の団体に比べ多額に上っている状況を踏まえまして、臨時財政対策債を除く本県独自に発行する県債については、めり張りをつけた社会資本の整備を行うことなどにより、新規の発行を抑制することによって、継続的に県債残高を減少させてきたところでございます。県債残高を継続的に減少させるためには、現在の取り組みを継続していくことが必要であると考えております。  本県の厳しい財政状況の中で、現在、副知事を座長とする行財政改革推進プロジェクトチームにおいて、平成三十年度当初予算編成に向けて、歳出面では事務事業見直し、歳入面ではネーミングライツの活用などに取り組んでいるところでございまして、引き続き、現行の行財政運営戦略に基づき、行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。  平成二十九年度普通交付税の配分額決定の影響についてでございます。  御質問にもありましたように、平成二十九年度の地方交付税の総額は対前年度比で二・二%の減となっている中、本県の平成二十九年度の普通交付税の決定額は二千六百四十六億円となっており、対前年度比で三十七億円、率にして一・四%の減となっております。これは、リーマンショック後の緊急対策として設けられた地方財政計画の歳出特別枠の全国総額の減が、本県にも影響を及ぼしていることなどによるものと考えております。  平成三十年度予算の地方交付税の方針に対する本県への影響と今後の取り組みについてでございます。  総務省が概算要求に際して公表しました平成三十年度地方財政収支の仮試算におきましては、一般財源総額については前年度を上回っているものの、地方交付税については前年度より〇・四兆円の減となっているところでございます。国におきましては、平成二十八年度の国税決算が予算より減少し、国税の一定割合である地方交付税において〇・二兆円の精算減が見込まれることなどから、地方交付税について今後、厳しい調整が行われることが予想され、本県財政に厳しい影響を及ぼすことが懸念されるところでございます。  県といたしましては、地方における必要な歳出を適切に地方財政計画に反映した上で、安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額の確保を図る必要があると考えており、歳出特別枠の実質的な維持・確保を含めまして、県開発促進協議会や全国知事会等を通じまして、引き続き、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。  歳入確保の目標についてでございます。  行財政改革推進プロジェクトチームでは、歳入確保の具体的な目標を設定することは考えておりませんが、歳入増につなげるための実務的な検討を行っておりまして、未利用財産の売却やネーミングライツの公募開始など、取り組めるところから順次着手しているところでございます。引き続き、歳入確保に向けた取り組みを着実に推進してまいりたいと考えております。 36 ◯土木部長(渡邊 茂君)口永良部島と奄美市住用町戸玉・市集落の地元の要望への対応及び市町村の避難道路整備における連携についてでございます。  口永良部島につきましては、四月の知事視察に際し、本村地区から番屋ヶ峰の避難所までの町道など約四キロメートルの区間について、離合が困難であることから、県道認定や二車線の道路整備の要望があったところです。  県では、屋久島町に対して、道路法に示されている県道認定の要件、二車線の道路整備についての技術的助言、補助事業を活用した町による整備手法及び県代行事業の制度について説明を行ったところです。  また、奄美市住用町戸玉・市集落につきましては、市道の災害復旧について技術的な支援の要望があったところであり、県では、災害復旧事業に係る手続や復旧対策を含めた技術的な支援を行っているところです。  県といたしましては、市町村の道路整備についてこれまでも市町村と連携して取り組んできており、今回の両箇所においても、屋久島町、奄美市と意見交換を行い、役割を整理し、連携して取り組んでまいります。 37 ◯危機管理局長(田崎寛二君)防災・減災対策についてのお尋ねのうち、まず、電話会社との協定による臨時の携帯電話の貸し出しについてであります。  災害時における携帯電話の貸し出しについては、携帯電話事業者において、市町村等からの要請により電話機などの無償貸し出しを行っており、口永良部島噴火の際には、携帯電話を持ち出せなかった住民等に安否連絡用の携帯電話の貸し出しなどが行われたところであります。また、平成二十二年の奄美豪雨災害の際に通信網が寸断されたことから、県単独事業や国の補助事業を活用して、離島を中心に、公民館等に衛星携帯電話の整備を行ってきたところであります。  災害時においては、住民の安否確認や救援要請等が迅速に行われることが重要であることから、県では、今後とも事業者や市町村と連携し、多様な通信手段の確保に努めてまいります。  自主防災組織の現状と課題、防災士認定の推進及び女性の防災活動の取り組みについてであります。  本県の自主防災組織は自治会を中心に結成されており、本年四月時点で、組織数が四千五百二十一、組織率が九〇・六%と年々増加してきておりますが、リーダー等の人材育成が進んでいないことや防災活動への参加者が少ないことなどが課題であります。このため、県では、毎年、地域の防災活動の指導的役割を担う人材の養成を目的に、講義や図上訓練等の研修を実施し、修了者を地域防災推進員に認証しております。  一方、防災士は、NPO法人日本防災士機構による資格でありますが、県では、防災対策基本条例等で地域防災推進員を地域の防災リーダーと位置づけており、今議会に補正予算案として、推進員の拡充等のための地域防災リーダー育成・普及啓発事業を計上しております。  女性の防災活動につきましては、現在、四十七名の女性の地域防災推進員を認定しており、県防災研修センターの出前講座や避難訓練などに取り組んでいただいております。  県といたしましては、今後、より多くの女性に地域防災推進員養成研修に参加していただけるよう、市町村に対して積極的な推薦を要請してまいりたいと考えております。 38 ◯教育長(古川仲二君)避難所となる公立学校施設の防災機能の現状と今後の取り組みについてでございます。  県内の公立学校で避難所に指定されているのは、平成二十九年四月一日現在で、全校数八百十七校のうち六百四十三校でございます。そのうち、各防災機能の確保状況について申し上げますと、断水時のトイレが一三・一%、自家発電設備などの電力が九・三%、備蓄倉庫が六三・一%、飲料水が三八・七%となっております。  避難所に必要な機能の整備は、各市町村の地域防災計画に基づき実施されることから、避難所に指定されている公立学校の防災機能の充実につきましては、市町村や防災担当部局、教育委員会の相互が十分連携を図りながら、対応してまいりたいと考えております。  次に、県内の公立学校における洋式トイレにつきましては、校舎等の改築や改修に合わせて設置されておりまして、平成二十八年四月一日現在で三四・八%となっております。  学校トイレの和式・洋式につきましては、衛生面や学習面に加えまして、避難所トイレとしての機能確保の観点などからさまざまな意見がありますことから、県立学校におきましては、それぞれの特徴や学校の要望なども踏まえながら、洋式化を含むトイレの環境向上等に努めていくことにしております。また、市町村に対しましては、文部科学省の学校トイレ改善事例集も参考にして、洋式化を含むトイレの環境向上等に取り組まれるよう、引き続き助言してまいります。  次に、幼児教育センター等の取り組みについてであります。  文部科学省は、幼児教育の質の向上を図るため、地域の拠点となる幼児教育センターの設置や、幼稚園等を巡回して助言等を行う幼児教育アドバイザーの配置等による、地方公共団体における幼児教育の推進体制の構築を狙いとするモデル事業を全国二十九の自治体で実施いたしております。また、県単独で幼児教育センターの設置やアドバイザーの配置をしている県もあると承知いたしております。  本県では、県総合教育センターにおいて、関係各課と連携しながら、幼稚園教諭等に対する研修や小学校との接続に関する調査研究等を実施し、幼児教育の充実に努めてきたところでございます。また、園長等の経験のある研修指導員を配置し、公立幼稚園の新規採用教員に対して指導・助言を行っているところでございます。  今後とも、国におけるモデル事業の成果等の情報も参考にしながら、本県での幼児教育の充実に努めてまいります。 39 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)災害時の避難対策の現状と課題、今後の取り組みについてであります。  みずから避難することが困難な方については、市町村が名簿を作成し、同意いただいた方には個別支援計画を作成することができることとされております。県においても、モデルプランを作成し、市町村に国の考え方を踏まえた取り組みを要請してきたところであります。また、災害時に要配慮者を受け入れる福祉避難所の確保が進んでいない市町村があることから、積極的な取り組みを要請しております。さらに、避難所管理運営マニュアルモデルについて、新たに要配慮者への配慮の項目等を追加するなど全面的な見直しを行い、市町村のマニュアル策定や見直しを促したところであります。  今後とも、市町村に対し、要配慮者が円滑に避難できる体制づくりを働きかけてまいります。  次に、在宅難病患者の方などの電源確保についてであります。  在宅で人工呼吸器等の医療機器を使用する難病患者等については、停電に対する日ごろの備えとして、医療機関や機器メーカーの支援を受けながら、予備バッテリー等を備えるとともに、必要に応じて機器の点検がなされると聞いております。また、長期停電など在宅療養が困難な場合には、医療機関への入院調整が図られるものと考えております。  県では、各保健所において、停電への対応状況を把握し、予備電源の確保等、日ごろの備えについて啓発を行っており、在宅難病患者の方などの生命、健康に支障が生じることがないよう、市町村や医療機関など関係機関・団体と連携を図りながら、患者等の支援に取り組んでまいります。  続きまして、発達障害児やその疑いのある子供への支援についてであります。  発達障害児やその疑いのある子供への支援については、市町村において、親子教室等の開催による発達障害の早期気づき・早期支援の取り組みや、療育支援が実施されております。また、市町村、障害児通所支援事業所、幼稚園、学校等の連携の緊密化を図るための自立支援協議会子ども部会が設置されるなど、地域における療育支援体制が整備されつつあります。  しかしながら、事業所や子ども部会が未設置の市町村もありますことから、県としては、障害児が身近な地域で安心して療育を受けられるよう、これらの設置に向けた取り組みを支援してまいります。 40 ◯県民生活局長(中山清美君)幼児教育の無償化についてであります。  幼児教育無償化は、全ての子供に質の高い幼児教育を保障することを目指すものであり、また、少子化対策を進める上でも、経済的負担の軽減が重要であると考えております。無償化に向けては、国においてさまざまな検討がなされており、財源確保が大きな課題となっておりますが、今年度は、段階的な取り組みとして、市町村民税非課税世帯の第二子以降が無償化されたところであります。  次に、市町村における保育料の無償化については、幾つかの自治体で実施されており、大和村では認可外保育施設等の未就学児全員を無償化しております。また、肝付町では三歳児以上を無償化しており、天城町では町民税等の滞納のない世帯を対象に無償化や減額を行うなど、地域の実情を踏まえて、さまざまな方法で取り組んでいます。  次に、利用定員の配慮についてですが、認定こども園の利用定員は、市町村が保育の必要性の有無などをもとに認定する、一号、二号などの認定区分ごとに定めております。子供の受け入れ数や給付の単価も当該定員等に応じて決められており、これらに基づいて給付費が算定されるなど、利用定員の設定は現行制度の基本的な仕組みとなっております。  県としては、市町村説明会等を通じて、新制度の適正な運用に努めているところでございます。  次に、幼稚園等の耐震化の現状と課題等についてであります。  幼稚園については、平成二十八年四月一日現在で約八七%、保育所は、平成二十八年三月三十一日現在の暫定値で約八〇%、幼保連携型認定こども園は約八六%であります。  幼稚園等の耐震化については、事業者の費用負担が大きな課題でありますため、県では、これまでも、県単事業や国庫補助事業などを活用して、耐震診断や耐震化整備へ支援を行っております。今後とも、事業者への説明会等を通じて早期の耐震化を促し、支援に努めるとともに、国に対して、必要な予算の確保などについて引き続き要望してまいります。
     また、幼稚園等における水などの備蓄の現状等については把握しておりませんが、災害時の対応について、児童の安全確保等の要請を行っており、今後とも、倉庫の整備など補助事業等について情報提供に努めてまいります。 41 ◯松田浩孝君 自席から、知事に一つ、再質問させていただきます。  マニフェストの進捗状況の発表については、お話があったとおり、二年目以降またわかりやすくするということで、ぜひその方向で取り組んでいただきたいと思うんですが、午前中の議論の中でもありましたアウトレットモールやテーマパークの話なんですが、商工労働水産部長の話によりますと、「小規模なテーマパーク等を含めて立地条件等について情報収集し、整理・分析する」という答弁を聞きました。  空港周辺という言葉が聞こえなかったんですけれども、このマニフェスト、「空港周辺に」という言葉がありますが、空港周辺を含めた県になったのか、そのことについて再質問させてください。 42 ◯知事(三反園 訓君)アウトレットモールも含めて、さまざまなマニフェストにつきましては、今、全力で取り組んでいるところでありまして、さまざまな観点から、実現へ向けて、今、努力しているということでございます。  あと、非常に財政状況が厳しい中でもありますけれども、到達点に近づけるために一歩でも二歩でも努力を続けることが肝要であると考えております。目指すべき方向、方針は堅持しながら、引き続き、け死ん限り頑張ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。 43 ◯松田浩孝君 済みませんけど、今のお話で、県民は、知事のマニフェストを見ながら、この進捗状況を見ると思います。そういう意味では、ホームページにあるのは二行で書かれております。次の質問の中に入れました見直しの検討も含めて、物事を進めるに当たっては、こうやってピンポイントの場所を指定して話をしてしまうと、どうしてもそこの話かと思ってしまいます。今、知事のお話を聞くと、どうやら県全体の話じゃないかなと受けとめております。そういう意味では、文言の修正も含めた見直しというのをこの機会、いわゆる進捗状況を発表する機会に進めていかれたらどうかと思うんですが、再度お願いいたします。 44 ◯知事(三反園 訓君)再度のお尋ねではございますけれども、口頭で申し上げたことも含めて、マニフェストに掲げた施策の中には中長期的な視点で取り組まなければならない施策があることも事実でありまして、本県を取り巻く社会経済情勢、県議会の御意見、財政状況なども踏まえながら、優先順位を判断しながら、四年間で任期中に実現できるよう、また方向性を示せるように努力してまいりたいと考えております。    [松田浩孝君登壇] 45 ◯松田浩孝君 それぞれ御答弁いただきました。  コメントは最後に述べることにして、質問に入ります。  企画観光建設行政について、初めに、エネルギー基本計画の見直しに関連して伺います。  経済産業省が、エネルギー政策の指針となるエネルギー基本計画の見直しに着手しました。二つの有識者会議で議論し、来年三月末をめどに見直しをまとめる予定であります。二〇三〇年度時点でどのようなエネルギーを、どんな組み合わせで使っていくのかについて、二〇一四年につくった計画を足元の変化を踏まえて再検討いたします。  東日本大震災後初となった現行の基本計画では、原子力発電所への依存は可能な限り低減させると明記する一方、原発を重要なベースロード電源と位置づけ、安全性の確保を条件に再稼働を進める方針を確認しました。  国は、二〇三〇年度時点の電源構成に、原子力を二〇から二二%、再生可能エネルギーを二二から二四%などとするエネルギーミックスを定めました。このエネルギーミックスがどのように見直されるのかも重要であります。  公明党省エネ社会推進本部は、菅官房長官に再生可能エネルギー発電の導入促進を求める提言を申し入れ、地球温暖化対策の国際条約パリ協定発効や近年の資源価格低下を踏まえ、政府のエネルギー基本計画を見直すべきだと主張、二〇三〇年度に再生可能エネルギー電源の比率を二二から二四%とする政府目標について、「さらに高い水準で導入を」と訴えました。また、再エネの導入は進んだが、太陽光に偏っているとし、風力や地熱などバランスよく再エネ導入を進めるべきと強調しました。  そこで伺う第一点は、エネルギーミックスのあり方に対する知事の所感をお伺いします。  関西電力は、八月から平均的な家庭で月百八十円の電気料金値下げをしました。原資は、高浜原子力発電所三、四号機の再稼働効果と経営効率化であります。当初は九月からの値下げを検討していましたが、経済産業省側が、需要期の八月への前倒しと値下げ幅の拡大を水面下で求めていたようです。東日本大震災での福島原発事故以降、大手電力会社の値下げは初めてであります。「再稼働の効果を国民に見える形で示す重要な機会だった」との経産省幹部のコメントが報道されました。  九州電力は九月十二日に、二〇一八年三月期連結決算の業績予想で、一株当たりの年間配当を五円多い二十円に増配する方針などを発表しました。  第二点は、「川内原発の稼働については、県民の安全・安心のために強い対応をとる必要はない」と知事は発言されています。電気料金については、国と電力会社で決めることではありますが、原発が再稼働している県民へのサービスとして、九電に電気料金値下げを要請されないのか、知事の見解をお伺いします。  次に、大河ドラマ「西郷どん」をテーマにした特別誘客対策について伺います。  大河ドラマ「西郷どん」の放送開始まで三カ月余りとなりました。前回の「篤姫」は全国的にも好評で、大きな経済効果をもたらしました。県民は改めて、大河ドラマ「西郷どん」に大きな期待を寄せています。  当初予算には、放送効果を最大限に生かすために、大河ドラマ「西郷どん」キャンペーン事業に一億四千二百五十万円が計上され、「西郷どん」にちなんだ本県の魅力のPRや旅行商品の造成のほか、魅力ある観光地づくり事業を活用した整備など、ソフト・ハード両面から取り組んでいると承知しております。  本県には誘客の追い風が確実に吹いていると思われますが、追い風を県勢浮揚につなげるには、放送が始まるまでの受け入れ準備、取り組みが重要であります。  西郷隆盛は行動的な人で、県内にゆかりの地が多くあると言われます。放送後も観光資源として残るハードの取り組みや、リピーターになっていただくためには、西郷さんとのエピソードを掘り起こし、ストーリー性を持たせるなど、ソフト面の取り組みも必要であると考えます。  そこで伺う第一点は、「西郷どん」にちなんだ観光地づくりの取り組みの現状と今後の取り組みについてお伺いします。  第二点、誘客対策として、旅行商品の造成と広報周知が重要であると考えますが、取り組みについてお伺いします。  次に、民泊に関連して伺います。  民泊については、平成二十七年第四回定例会で、外国人旅行者等の増加で、他県では騒音やごみ出しのマナー違反などトラブルがあり、大阪府では条例をつくるなど対応していること等を取り上げ、何らかのルールづくりの必要性を訴えました。答弁では、「本県の宿泊施設の稼働率はおおむね六〇%台で余裕がある。今後、国の動向を注視してまいりたい」とのことでありました。  民泊には、一般住宅やマンションの一室を貸し出すものと、グリーンツーリズムやブルーツーリズムなど体験型旅行のため、民家に宿泊するものがあります。前者については、全国的に事件やトラブルが報告されています。福岡市においては、違法民泊業者が韓国人女性にわいせつ行為をしたとして逮捕され、韓国外交部が注意情報を出すという問題が起きています。  政府は、二〇二〇年訪日外国人を四千万人にふやす目標を掲げており、本県においても訪日外国人がふえることが予想されます。  現在、ホテル・旅館の稼働率に余裕があっても、宿泊料の高騰から、違法な民泊業者等が参入してくることが懸念されます。問題が起きる前に課題を整理し、条例をつくる必要があると考えます。  本年六月九日には、住宅宿泊事業法が成立し、明年六月までには施行となります。  そこで伺う第一点は、同法では、住宅宿泊事業を営もうとする場合、都道府県知事への届け出が必要になります。また、住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置を義務づけたり、年間提供日数百八十日の上限を設けるなどが決められています。県としては、どの部署が受け付け、指導・監督していくのか、お伺いします。  第二点、観光立県を掲げる本県にとって、安心・安全で、おもてなしの環境を整備するためにも条例の制定が急務であると考えますが、民泊についての現状、課題、条例づくりについての見解をお伺いします。  後者のグリーンツーリズム、ブルーツーリズムについては、知事もマニフェストで「グリーンツーリズム、ブルーツーリズムによる、農山漁村文化体験型観光の推進に取り組みます」と意欲を示されています。グリーンツーリズムについては農村振興課、ブルーツーリズムは水産振興課、扱うのは主に教育旅行、教育旅行の誘客は東京事務所など県外事務所が推進する、観光振興全般については観光課が推進するなど、所管が各課にまたがっています。  第三点は、知事のマニフェストに掲げているグリーンツーリズム、ブルーツーリズムの振興について、第一義的にはどの課が推進するのかお伺いするとともに、各課の連携はどのようになっているのか、お伺いします。  農家民泊については、平成二十一年三月に、鹿児島県における農山漁村生活体験学習に係る取扱指針を制定されております。修学旅行や子ども農山漁村交流プロジェクト等の教育旅行における農山漁村生活体験学習の受け入れに当たって、受け入れ農家等が対価を受けて提供する体験学習の範囲を明確化するとともに、事故防止など、受け入れ側の安全面に対する意識を向上させ、体験学習における安全性を確保することを目的としております。  第四点、体験型教育旅行に関し、農家民泊者数の実績、受け入れ農家の現状、受け入れ農家への指導状況についてお伺いします。  次に、産業経済行政について、地方版ハローワークの創設について伺います。  国の公共職業安定所─ハローワーク─とは別に、自治体が無料で職業紹介を行う地方版ハローワークが増加し、全国で六百二十一カ所に達しています。昨年八月、改正職業安定法などが施行され、自治体が無料職業紹介を実施しやすくなったことが背景にあります。  地方版ハローワークに先行し、国と連携した職業紹介を含む就業支援を埼玉県が行っています。ハローワーク浦和・就業支援サテライトは、二〇一二年、国のハローワークと県のサービスが一体化し、同じフロア内に、求職者別に就職相談から紹介、生活・住宅相談まで、きめ細かい支援がワンストップで受けられるようになりました。利用者は年々増加し、延べ二十四万千三百三十一人が訪問し、そのうち、みずから求人に応募するなどして一万八千三百九十七人が就職を決めました。  埼玉県では本年四月から、求職者支援とともに、県庁内に設けていた企業向けの相談窓口企業人材サポートデスクを同サテライト内に移設し、企業の求人対策にも力を入れています。さらに、五月から、埼玉版ハローワークの事業として、同サテライト内で県内の企業による面接会を随時開催しています。大きな特徴は、面接会の参加者に履歴書の提出を求めず、ふだん着での参加も可能にしているところです。県就業支援課では、「敷居を低くして、少しでも多くの人に参加してほしい」と話しています。  鹿児島労働局は八月二十五日、来年三月の新規高校卒業予定者に対する県内企業の求人倍率が七月末現在、前年同期より〇・三七ポイント増の二・二一倍だったと発表しました。平成で二番目の高水準、求人数は前年同期比二七・七%増の四千八百八十八人となり、一九九五年度以降、二十二年ぶりに四千人を上回りました。県内求職者数が県外求職者数を二百六十六人上回っている今このときこそ、次の手を打つべきであります。  そこで伺う第一点は、本県の就業支援対策の現状と課題について伺います。  第二点は、県内での地方版ハローワークの現状について伺います。  第三点は、本県でも埼玉県版ハローワークのような垣根の低い対策をとり、地元企業への就職に結びつけるべきと提案いたしますが、前向きな答弁を求めます。  次に、休み方改革に関連して伺います。  休みにはさまざまな効果が期待されます。一つは、働く人の心身にわたる健康の維持です。適切な休養は、日々の疲れやストレスをとり、体調を保つとともに、充実した日々を送る土台となります。また、休みがふえれば家族や友人と一緒に過ごす時間がふえます。  政府は、公立小・中・高校の夏休みなど長期休業の一部を別の時期にずらし、働く親も一緒に休みをとりやすくするキッズウイーク導入に向け、官民による総合推進会議を首相官邸で開きました。安倍総理は、「来年度から、地域ごとの実情に応じて学校休業日の分散化を図る」と表明しました。必要な政令改正を行うとともに、地域単位で協議会を設置し、具体案の検討を進めるよう求めました。キッズウイークは、働き方改革とセットで推進する、休み方改革の一環であります。  文科省は、九月十三日に学校教育法施行令を改正し、学校の休業日の分散化等に取り組むために、家庭及び地域における体験的な学習活動等のための休業日を定められることが規定され、各学校設置者は、その休業日の設定の検討に努めることなどが示されたところであります。その成否を握るのは、子供の休みに合わせて有給休暇を取得できるかどうかであります。  そこで、キッズウイーク導入に対する認識と課題についてお示しいただくとともに、本県での取り組みについてお伺いいたします。  次に、中小企業の事業承継対策について伺います。  中小企業庁は、後継者不足などで経営を引き継ぐことが難しくなっている地域の中小企業・小規模事業者を都道府県単位で支援する事業承継ネットワークを、二〇一八年度までに全国で整備する方針であります。各支援機関が連携する体制を県のリーダーシップのもとで構築し、おおむね六十歳以上の経営者を対象として、どのようなサポートが必要かを診断します。今後五年間で二十五万から三十万件の事業承継診断を目指し、課題を掘り起こします。  具体的には、中小企業庁が各県の産業振興センターや商工会議所などに委託し、地域事務局を設置し、聞き取り調査を行います。実際に、中小企業・小規模事業者の間では、後継者不足を理由に黒字廃業するケースがふえてきております。  先日、鹿児島県商工会連合会の役員と意見交換いたしました。小規模事業者事業承継支援事業に取り組もうとしているが、事業承継は長期にわたるため、伴走型の支援が必要となる。そのため、事業承継計画の策定前の段階として必要な経営形成情報の分析方法を学ぶ具体的な研修会等を実施してほしい。また、専門的知見を有する小規模事業者事業承継支援員を各地に常駐させてほしいと要望されました。さらに、県内三十八商工会を効率的に巡回する指導用車両及び広報用車両が購入後十年以上経過し、走行距離も長く、至るところでふぐあいが生じているので、これらの車両の更新に係る助成を要望されました。  そこで、県商工会連合会の要望に対する県の見解を伺います。  次に、日欧EPAの大枠合意については要望にかえます。  日本と欧州連合─EU─の経済連携協定─EPA─交渉が大枠合意しました。英国のEU離脱や米国の環太平洋経済連携協定─TPP─離脱など保護主義的な動きが広がる中、日欧首脳が自由貿易体制堅持の意思を行動で示した意義は大きいと思います。  総じて消費者は利益を受けることになりますが、EUとの競争を強いられる畜産農家などからは不安の声も聞かれます。県として、政府に対し、生産者への目配りを怠らず、必要な支援を積極的に行うよう強く要請していただきますようお願いし、二回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 46 ◯知事(三反園 訓君)大河ドラマ「西郷どん」をテーマにした誘客対策についてであります。  大河ドラマ「西郷どん」の放送効果を最大限に生かして県外からの誘客を促進するために、関東や関西地区等の旅行エージェント向けに現地視察会を実施したり、主要都市で開催する説明会において、大河ドラマ館を初めとする「西郷どん」関連の観光施設や観光ボランティアガイドの情報、ゆかりの地をめぐるモデルコースなどについてPRを行っております。さらに、鉄道・航空・船舶の交通事業者と連携いたしまして、「西郷どん」の要素を取り入れたプロモーションの展開も図っているところであります。  御指摘のとおり、ストーリーというのは非常に重要だと認識しております。また、NHKとの相互協力による広報やイベント等の開催、各種メディアを使った西郷どんゆかりの地のPR、公式ウェブサイトなど、インターネットなどを活用した情報発信などにも取り組んでいるところであります。 47 ◯企画部長(東條広光君)まず、エネルギーミックスのあり方についてであります。  国は、エネルギー基本計画を踏まえて策定した長期エネルギー需給見通しにおいて、具体の目標として、安全性の確保を大前提としつつ、震災前をさらに上回る自給率の確保、電力コストの引き下げ、欧米に遜色ない温室効果ガスの削減を定め、これによる二〇三〇年度時点のエネルギーミックスを示しているところであります。  エネルギーミックスについては、そのもととなりますエネルギー基本計画の見直しの議論に当たって、再生可能エネルギー推進の観点が必要であると考えているところであります。  次は、九州電力への電気料金の値下げ要請についてであります。  電気料金については、電気事業法に基づき、電力会社が供給区域全体に係る原価に利潤を加えた額を国に申請し、国が所定の要件に適合していると認めるときは認可する制度となっております。  このように、電気料金は、電力会社の供給区域全体にわたり設定される仕組みでありますことから、特定の区域に限定した料金設定の要請を行うことは考えていないところであります。  なお、原子力発電所の所在市町村等におきましては、一般家庭等の電気料金が実質的割引となる原子力立地給付金事業が実施されているところであります。この事業については、関係市から交付基準の見直し等の要望がありますことから、国に対し、県開発促進協議会等を通じまして、対象地域の拡大等を要望しているところであります。 48 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、西郷どんゆかりの地の整備についてでございます。  「西郷どん」の放送をきっかけとした観光客誘致を促進するため、魅力ある観光地づくり事業を活用し、ゆかりの地において、案内看板や駐車場などの整備を行うことといたしております。現在、鹿児島市の西郷隆盛生誕の地周辺、龍郷町の謫居跡など、県内各地八カ所において、地元市町村と協議を行いながら、事業を進めているところでございます。  また、西郷どんゆかりの地を訪れ、歴史に触れていただくために、観光ボランティアガイド研修会を県内三会場で開催し、ガイドの育成を行うなど、受け入れ体制づくりを整えることで県内外からの誘客促進につなげてまいります。  次に、住宅宿泊事業法に係る受け付け、指導・監督の所管についてでございます。  ことし六月に公布された住宅宿泊事業法につきましては、公布から一年以内に施行されることとなっており、県におきましては、住宅宿泊事業者からの届け出の受け付けや事業者に対する指導・監督を実施することとなっております。先日開催されました国の説明会によりますと、今後、届け出や指導・監督等の事務の詳細について規定した政省令等が示される予定でありますことから、それらを踏まえて、法に係る事務の所管について決定することといたしております。  次に、民泊についての現状、課題、条例づくりについてでございます。  民泊につきましては、外国人旅行者の急増による大都市部での宿泊施設の不足や、無許可での宿泊サービスの増加などの状況を踏まえ、ことし六月に住宅宿泊事業法が成立したところでございます。これによりまして、民泊を行おうとする者は知事への届け出が必要となりまして、衛生確保の措置や騒音防止のための説明など、適正なサービス提供のための措置が義務づけられたところであります。また、生活環境の悪化を防止するため、必要があるときは、今後公布される政令で定める基準に従い、期間と区域を制限する条例を制定できることとなっております。  県といたしましては、今後、法に基づき、適正な民泊が行われるよう対応を検討してまいります。  次に、グリーンツーリズム、ブルーツーリズムの振興についてでございます。  観光は、関連する産業の裾野が広い総合産業でありますことから、県政の重要な柱として位置づけ、各部と連携した全庁的な取り組みを進めてきたところであります。  グリーンツーリズムやブルーツーリズムにつきましても、関係各部が中心となり、受け入れ体制の充実・強化等により、観光資源の磨き上げを図るとともに、PR・観光戦略部におきまして、教育旅行に関する説明会等で積極的なPRを行ってきたところであります。  引き続き、関係各部と連携して、グリーンツーリズム、ブルーツーリズムによる農山漁村文化体験型観光を推進し、交流人口の増加につなげてまいります。 49 ◯農政部長(川野敏彦君)体験型教育旅行の実績等についてでございます。  本県における体験型教育旅行は、新幹線全線開業を契機に増加し、近年は一万五千人から二万人程度で推移してきております。昨年は熊本地震の影響により一万人を下回りましたが、ことしの予約状況は一万五千人程度まで回復してきております。  受け入れ農家については、県が作成した取扱指針に基づき市町村等が登録することとなっており、平成二十八年度末現在、千百戸余りとなっております。  また、受け入れ農家に対しては、同指針に基づきまして、毎年、市町村等による安全対策講習会が開催されており、食中毒予防などの食品衛生や農業体験時の安全確保などについて指導がなされているところです。 50 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)本県の就業支援対策の現状及び地方版ハローワークの現状に関するお尋ねについてでございます。  地域における就業支援対策につきましては、国と地方自治体がそれぞれの強みを発揮し、一体となって取り組むことが重要であると考えております。そのため、現在、県が設置しております若者就職サポートセンターにおきましては、職業に関する情報の提供や相談等を行っておりますほか、国のハローワークが併設され、キャリアカウンセリングの実施や就職に関する各種セミナー等も開催されるなど、ハローワーク、企業、学校等が連携したサービスの一体的な提供による若年者の就職促進に努めているところでございます。  このような中、国におきましては昨年の八月に、これまで届け出制としていた地方公共団体の無料職業紹介について、通知のみで可能とするなどの環境整備を図るとともに、国が行います無料職業紹介等と自治体が行う相談業務等を一体的に実施するなどのさまざまな形態を提示しているところでございます。  なお、県内におきましては、自治体が無料職業紹介事業を行っている件数は、県の鹿児島ふるさと人材相談室を初め、五自治体八件となっているところでございます。  次に、雇用等に関する垣根の低いワンストップ窓口の設置についてでございますが、県といたしましては、求職者が気軽に立ち寄り、就職支援等のサービスが一元的に受けられるよう、今後とも引き続き取り組む必要があると考えており、御提案のあった件につきましては、今後、まずは鹿児島労働局と協議しながら、そのあり方、課題等について検討してまいりたいと考えております。  次に、中小企業の事業承継対策についてでございます。  県商工会連合会の指導用車両等の更新につきましては、県の小規模事業経営支援事業費補助金の対象としており、県商工会連合会の要望や車両の使用実績等を踏まえ、必要性を検討しているところでございます。  なお、お尋ねのございました小規模事業者事業承継支援事業につきましては、昨年度、全国及び各県の商工会連合会が連携し、中小企業庁に対して、平成二十九年度当初予算での新規の事業創設という内容での要望を行ったものの、予算措置には至らなかったと聞いております。 51 ◯教育長(古川仲二君)キッズウイーク導入に対する認識と課題等についてであります。  キッズウイークについては、地域ごとに夏休みなどの学校長期休業日の一部を他の日に移して休業日を分散化することで、子供が家族や仲間とともに休日を過ごし、地域行事へ参加することなどを通して、子供たちの豊かな心や人間性を育むことなどが期待されているものと認識いたしております。  文部科学省は、学校教育法施行令を改正し、体験的な学習活動のための休日を定めることができることなどを新たに規定したところでございますが、今後、各自治体において、関係団体と連携しながら、児童生徒や学校、地域の実態などに配慮して、休業日の設定を検討することになっております。  なお、キッズウイークの導入に当たって、学校休業日に合わせた大人の休暇取得、学校休業日における多様な活動機会の確保、どうしても親が休めない子供への対応など、教育分野に限らず、他の関係機関や官民の連携した取り組みが必要になってくるものと考えております。  県といたしましては、国や他地域の動向を注視しながら、キッズウイークの導入について、まずは必要な情報収集等を行ってまいりたいと考えております。
       [松田浩孝君登壇] 52 ◯松田浩孝君 それぞれ御答弁いただきました。  コメントは最後に述べることにして、質問に入ります。  次に、環境厚生行政について、初めに、国保新制度移行について伺います。  国民健康保険は来年四月、運営主体を市町村から都道府県に移すという制度創設以来の大改革を迎えます。規模を大きくすることで財政を安定させる目的と認識しておりますが、住民の健康づくりに熱心に取り組み、医療費を低く抑えていた市町村が、医療費の高い他の市町村に引きずられて保険料が上がる可能性もあり、むしろ不公平だとの声も聞こえてきます。  共同通信が実施した、国民健康保険運営の都道府県移管に関する全国市町村調査で、本県内で回答した三十六市町村のうち半数の十八市町村が、「二〇一八年度の保険料水準は上がると予想している」と報道されました。  また、同時に実施した都道府県に対する調査では、本県を含め二十二道府県が、「将来、保険料水準を統一する方向で検討している」と回答した。また、日経新聞の調査によりますと、「保険料水準統一について具体的に検討している」が九府県、「現段階で具体的に検討していない」が三十一都府県、「未定」が鹿児島も含んで七道県との結果を報道されました。  報道だけを見ますと、県と市町村の意識の差を感じます。  そこで伺う第一点は、国保新制度移行に向けた協議の体制及び現状、今後の取り組みについてお伺いします。  第二点、保険料水準統一の方針、課題及びスケジュールについてお伺いします。  次に、第五期障害福祉計画の策定に関連して伺います。  障害者及び障害児が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービスの必要量、その確保のための方策等を定めることで、総合的かつ計画的にサービス等提供体制の確保を図るため、国の基本指針に則して策定された第四期障害福祉計画が平成二十九年度で終了し、第五期計画を策定する時期に来ています。  第四期計画のときは、障害者団体への聞き取り調査を経て、県自立支援協議会や県障害者施策推進協議会、そしてパブリックコメントを実施され、策定されました。  そこで伺う第一点は、市町村に対する見込み量調査、障害者団体への聞き取り調査についてお伺いするとともに、今後のスケジュールについてお示しください。  五月三十日に改正個人情報保護法が全面施行され、障害名や病名を含む個人情報は要配慮個人情報として取り扱いが厳格化されました。これまで、個人情報については、教育・福祉・医療のそれぞれの分野で取り扱いが違っておりました。厳格過ぎても困るし、ラフ過ぎてもよくありません。子供たちの就学に向けて、小学校から中学校に向けての移行支援や、不登校、ひきこもりなどのケース会議など、子供の環境づくりをするに当たり、適切な個人情報管理の感覚を広く共通して持たないと、適切なケース会議にならないと考えます。  第二点、改正個人情報保護法施行による医療・福祉・教育それぞれの共通理解の現状と課題について伺うとともに、充実したケース会議のための個人情報管理のあり方についてお伺いします。  訪問した岡山県総社市では、障害者千人雇用を政策として打ち出し、七年かけて千人の雇用を達成しておりました。障害児を持つ親の悩みは、十八歳以降の自立であります。教育の分野にいるうちは大切にされ、成長を見守る体制が整っていますが、卒業と同時に引きこもるケースも少なくありません。本県でも、就労移行支援や就労継続支援A型・B型の事業所がふえてきております。しかし、小さな部屋で簡単な作業をするのみで、本人のスキルアップにつながらない場も多いように感じます。  第三点は、就労移行支援、就労継続支援A型及びB型の実績と課題、今後の取り組みについてお伺いします。  障害がある学齢期の子供が放課後や夏休みなどに通う放課後等デイサービスの事業所が、県内でふえてきています。身近な地域で療育を受けられる利便性が受け入れられ、ニーズが高まったと見られます。一方、地域的な偏りもあって、通いたくても通えない子供もいます。放課後デイは二〇一二年四月、児童福祉法の一部改正でスタート、初年度六十二カ所だった事業所数は、二〇一七年四月に二百十五カ所になりました。  テレビを見せているだけなど、障害の特性を理解しないまま受け入れるケースが全国的に問題化しており、国は本年四月から、子供と接するスタッフに、保育士や児童指導員の資格を持つ人、障害者施設での指導経験者を一定数配置するなど、要件を厳格化しました。本年七月二十四日には、支援の質の向上を図るために児童発達支援ガイドラインが定められました。  第四点、障害児通所支援、放課後等デイサービスの現状と課題、今後の取り組みについてお伺いします。  県こども総合療育センターは、平成二十二年の開設以来、発達障害児等について、医療、保健、福祉、教育の連携による支援体制づくりを推進してきました。開設当初の数年は、受診待ち児童数が多いことで待機期間がクローズアップされましたが、医師の配置もあって、予約申し込みから介入まで改善されたとお伺いします。  県こども総合療育センターは、本県の発達障害児の早期気づきから早期支援、診断、そして学校から就労の支援のセンター・オブ・センターの役割を果たさなければなりません。学校でも療育でも対象児童生徒がふえる傾向にあり、センターの充実・強化が重要と考えます。また、地域で発達障害児診療に携わる医師などの人材育成も、センターの重要な役割と考えます。  第五点、県こども総合療育センターの今後の充実・強化にどのように取り組まれるのか、専門家の配置や予算の経過も含めてお伺いします。  次に、社会保障制度改革に関連して伺います。  社会保障・税一体改革による社会保障の充実を図るための各種見直し等がこの八月から具体化しています。八月一日より、年金の受給資格期間が二十五年から十年に短縮されました。日本年金機構は二月下旬から、今回の年金の受給資格期間短縮により新たに年金の受給権を得る対象者に対し、年金請求書約六十七万六千通を送付し、事前に請求手続を行っていただくよう勧奨を実施しています。  そこで伺う第一点は、本県における受給期間の短縮で新たに受給権を持つ方がどのくらい発生すると考えるか、お示しください。  また、広報周知が重要と考えますが、県はどのようにかかわっていくのか、お伺いします。  高齢化に伴い、医療や介護などの社会保障費が年々大きく伸びる中で、財政の悪化を防ぎ、健全化を進める観点から、その伸びを一定程度に抑え、全世代で社会保障制度を支えていくため、一定の所得がある高齢者と、介護保険料を納める四十から六十四歳の現役世代の一部の負担が八月一日から見直されました。  医療分野では、収入に応じて一カ月の医療費の自己負担額に上限を設ける高額療養費制度について、七十歳以上の限度額を改定しました。医療費の負担の上限額は、同じ年収であっても高齢者のほうが現役世代よりも低く設定されていました。この世代間の公平を図るため、高齢者のうち負担能力のある方には負担増の見直しがなされました。  また、平成二十九年四月から、七十五歳以上の高齢者の医療保険料の所得割額、均等割額の軽減率が見直されました。保険料を年金からの引き落としで納めている方は、実際に引き落とし額がふえるのは十月からになります。  第二点は、七十歳以上の高額療養費の上限額の見直し、また七十五歳以上の高齢者の医療保険料の軽減の見直しについて、その対象者数についてお示しいただくとともに、国民年金のみの低所得者の負担はどうなるのか、お示しください。  慢性的な介護人材不足については、有効求人倍率が上がってくるとともに、介護福祉士養成施設への入学者数の減少など、一層困難な状況にあります。外国人留学生を含めた介護福祉士養成施設の学生については、経過措置の五年間は卒業時に暫定的に介護福祉士資格が付与されます。介護福祉士資格を取得した留学生は、出入国管理法の改正により、在留資格を得ることができます。佐賀県では、これを活用して積極的にミャンマーの留学生を受け入れると聞きました。  第三点、介護人材確保の現状と今後の取り組み、佐賀県のような外国人留学生を含む介護福祉士養成施設への人材確保に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、文教警察行政について、初めに、公立高校の定員割れについて伺います。  県教委は八月八日、平成三十年三月に卒業予定の県内の国公立中学三年生を対象にした進路希望状況の調査結果を公表されました。卒業予定者や公立高校への進学希望が減る中、前年度の募集定員に届かなかった学校・学科は、二〇〇六年以降で最多の五十五校八十九学科となりました。来年度、初めて楠隼中学校からの進学を迎える楠隼高校は、進学者を含む募集定員が九十人と前年度より三十人ふえます。進学予定者五十二人以外の県内希望者は五人でありました。県内の卒業予定者は一万四千九百八十人、県内公立高校への進学希望者は八〇・二%で、一九八六年以降で最少を更新、一方で、私立高校や高専などの希望者は一七・七%と最高になりました。  県教委は、この調査結果を踏まえ、各校の来年度の募集定員を十月上旬に公表する予定と報道されました。  そこで伺う第一点は、過去最多の定員割れとの結果についてどのように認識し、今後の高校の定員についてどのように計画しているのか、お伺いします。  第二点、来春の楠隼高校一期生の進路によって学校の評価を受けることになりますが、今後の楠隼中・高等学校をどのように位置づけ、取り組むのか、お示しください。  県内公立高校における配管及び設備等の学科、設備科について、頴娃高校にあった設備工業科が平成二十一年度から募集を停止しました。全国には二十四校あるようです。公共工事に必要な一級・二級管工事施工管理技士の受験には、土木系・機械系・電気系の学科のある工業高校を卒業し、実務経験を経て試験を受ける場合が多いと聞きます。平成二十七年度、二十八年度ともに、本県公立高校の指定学校・学科の生徒で管工事施工管理技士の受験者はゼロと聞きました。  私たちにとって水道管から水が出るのは当たり前でありますが、この社会インフラとしての水道が経年劣化により危機に瀕しているのも事実であります。水道事業は市町村ではありますが、そのプロパーを育成する機関が必要とされています。  県内一千社ある管工事事業者の子弟も即戦力として資格を生かすためには、高校において専門的に学ぶ学科が本県にはないため、県外の高校に行かざるを得ない状況にあります。  第三点、県都鹿児島市に設備科の設置を提案いたしますが、いかがでしょうか。  次に、自転車条例に関連して伺います。  県、自転車を利用する者、自転車の小売を業とする者等のそれぞれの責務や役割、基本的な施策を定めた、かごしま県民のための自転車の安全で適正な利用に関する条例が三月に施行されて、交通安全教育や啓発が行われるとともに、自転車の安全で適正な利用の推進がなされたものと思います。いよいよ十月からは完全施行され、自転車乗車用にヘルメットの着用と自転車損害賠償保険等への加入が義務づけられます。しかしながら、県民の皆さんの関心は高まっていないように思います。  そこで、ある保険会社が書面による調査を実施し、百八十六名の県民から回答を得ました。その結果、この自転車条例を認識している人は一九・九%、知らない人が八〇・一%の結果でありました。来月というのに県民の八割が知らない現状に、条例制定に関与した者としては甚だ不満であります。  そこで伺う第一点は、今までどのような啓発をされ、このアンケートの結果をどのように認識されるのか、伺います。  兵庫県では、自転車保険の加入に関するアンケートを、通行者が多い量販店、駅前の駐輪場や商店街付近で、交通安全協会など五十三団体の協力のもと実施され、周知を図っておりました。名古屋市では、チラシ等を町内会の回覧板を活用するなど徹底して周知活動されておりました。  第二点は、自転車条例の推進のため、アンケートを実施しながら啓発を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、市町村との連携が大事であると考えます。各市町村へ名古屋市のようなチラシ等の配布をするべきと考えますが、いかがでしょうか。  県警では九月八日に、かごしま自転車条例が十月に完全に施行されるのを前に、自転車の一斉取り締まりをされました。  第三点、一斉取り締まりの結果についてお伺いするとともに、今後の取り締まりについては、マスメディアも活用しPRすべきと提案いたしますが、いかがでしょうか。  次に、性犯罪厳罰化法成立を受けて伺います。  性犯罪を厳罰化する改正刑法が、六月十六日の参院本会議で全会一致で可決・成立しました。強姦罪の刑を重くし、男性も被害者になり得る強制性交等罪に改めるのが柱であります。被害者の心理的負担を軽くするため、被害の訴えがなくても起訴できる非親告罪にします。性犯罪に関する規定の抜本的な見直しは、一九〇七年の現行刑法制定以来初めてであります。  親らが監護者としての影響力に乗じて、脅迫や暴行なしに十八歳未満の子に対して性犯罪に及んだ場合に罰する監護者性交等罪も新設されました。児童福祉法違反などの比較的軽い刑罰で済んでいたケースも厳罰化します。  警察庁は八月三日、性犯罪被害者が相談しやすい環境を整備するため、各都道府県警の性犯罪被害相談電話につながる全国共通の短縮ダイヤル♯八一〇三─ハートさん─の運用を開始しました。  二〇一六年までの五年間の刑法犯認知件数を見ますと、強姦は約千から千四百件で推移していますが、警察に通報する被害者は一部のみとされています。警察庁は二〇〇六年度から、性犯罪被害者の初診料や性感染症の検査、緊急避妊などの医療費補助を各都道府県警を通じて実施しています。  そこで伺う第一点は、本県での性犯罪に関する相談件数と医療費負担の件数及び金額をお示しください。  本県では、平成二十八年二月に、県、県警、犯罪被害者支援センター、県産婦人科医会が、性暴力・性犯罪被害者への支援における連携・協力に関する協定を締結し、四者それぞれが主体として役割を果たす形でのワンストップ支援センター、性暴力被害者サポートネットワークかごしま、通称FLOWERが開設されました。運用から一年半が経過しましたが、被害に遭われた方からは、四つの相談窓口がそれぞれあることでわかりにくいので、窓口を一本化してほしいとの声もあります。  また、内閣府は今年度から、性犯罪・性暴力被害者支援交付金を示し、医療費等公費負担事業として、「当該都道府県内の相談センターに相談した被害者であって、やむを得ない事情により警察に相談することができなかったことによって、都道府県警察による医療費及びカウンセリング費用の公費負担制度が適用されない被害者に対し、都道府県が、当該医療費等及びカウンセリング費用の全部または一部について補助を行う事業」と明記しました。  この都道府県による補助をするためには、コーディネーターを配置し、窓口を一本化する必要があります。結果的に本県では、現在、性犯罪被害者は、警察に届け出た場合については医療費等が公費負担されますが、届け出ない相談では医療費助成ができないのであります。九州でも本県のみであります。  第二点は、FLOWERをより被害者に身近なものにして機能を強化するためにも、相談窓口を一本化し、コーディネーターを配置して、警察に届け出ない被害者に対しても初期医療費の支援をするべきと考えますが、積極的な答弁を求め、三回目の質問といたします。 53 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)まず、国保新制度移行についてであります。  本県におきましては、平成二十七年十月に国保新制度移行準備連絡会議を設置し、納付金の算定方法等について、市町村などの理解を得ながら協議を進めてきたところであります。これまでの協議結果を踏まえ、九月四日に開催した県国保運営協議会において、保険料の標準的な算定方法等を記載した国保運営方針素案をお示しし、御意見いただいたところであります。引き続き、市町村等と協議し、市町村からの最終的な意見聴取及び県国保運営協議会での審議を経て、本年十一月を目途に国保運営方針を定める予定であります。  また、平成三十年度の納付金等の算定については、本年十二月下旬に国から示される各種係数を用いて算定を行う必要があることから、来年一月に決定することになると考えております。  保険料水準については、統一した場合、保険料負担の急変を招くなどの可能性があることから、市町村と協議した結果、当面、統一は行わない方針であります。  保険料水準の統一については、引き続き市町村と協議を行っていくこととしておりますが、医療費水準や保険料収納率等の格差が縮小し、統一に向けた環境整備が図られる必要があるものと考えております。  次に、第五期障害福祉計画の策定についてであります。  新たな障害福祉計画においては、平成三十年度から向こう三年間の障害福祉サービスの利用者数や必要量を見込むとともに、サービスを確保するための方策等を記載することとしております。このため、年内に、障害福祉サービスについて市町村の見込み量を調査するとともに、障害者団体から意見聴取を行うこととしております。その上で、新たな計画については、来年二月を目途に県障害者施策推進協議会において計画案を審議していただき、その後、パブリックコメントを経て、来年三月末に策定する予定としております。  改正個人情報保護法施行による課題と個人情報管理のあり方についてであります。  本年五月に施行されました改正個人情報保護法においては、新たに要配慮個人情報を定義し、その取得や第三者への提供については、原則として本人の同意を得ることが必要とされました。この要配慮個人情報には、身体障害、知的障害、精神障害等があることも含むとされております。このため、例えば、医療、福祉、教育などの関係機関を構成員とするケース会議等において、個人情報事業者である関係機関が要配慮個人情報を提供する場合、原則として本人の同意を得る必要があります。  県としては、各関係機関が改正個人情報保護法の趣旨を十分理解した上で適切にケース会議等が実施されるよう努めてまいります。  就労移行支援等の実績と課題、今後の取り組みについてであります。  就労系障害福祉サービスについては三つの種類があり、本年四月一日時点で、就労移行支援が七十四事業所、定員七百四名、就労継続支援A型が八十九事業所、定員千六百二十三名、同じくB型が二百八十三事業所、定員五千七百二十四名となっております。また、本年四月の利用者数は、就労移行支援が四百三十四名、A型が千三百七十一名、B型が五千三十名であります。  事業所の約四割は鹿児島障害保健福祉圏域にあるものの、他の六つの圏域のいずれにも三種の事業所が設置され、また、利用率から見ても、一定の事業所数が確保されていると認識しております。  今後は、利用者に提供されるサービスの質の向上が重要であると考えており、事業所に対し、必要な指導・助言を行ってまいります。  障害児通所支援等の現状、課題、今後の取り組みについてであります。  障害児通所支援については、本年五月時点で、児童発達支援事業所が百七十四カ所、利用者が三千四百七十六人、同じく放課後等デイサービス事業所が二百十四カ所、三千九十八人、保育所等訪問支援事業所が五十八カ所、百九十人となっております。  事業所の約半数が鹿児島市に所在している一方で、未設置の市町村もありますことから、今後とも整備の必要があると考えております。  また、国は、支援内容の適正化と質の向上を求められているとし、支援の種類ごとに基本的事項を示したガイドラインを策定したところであります。  県としては、サービスの質の向上を図るため、事業所に対し、ガイドラインの内容の周知徹底を図りますとともに、適切な指導・助言に努めてまいります。  こども総合療育センターの充実・強化についてであります。  こども総合療育センターは、発達障害児等を対象に専門的な相談・支援、診療・療育や、地域療育の支援を行ってきたところであります。今後とも、療育関係者への研修を通じた人材育成、関係機関の連携強化に取り組む必要があると考えております。  県としては、こうした考え方のもと、本年度から、小児科医などのかかりつけ医等の医療従事者に対して、発達障害に関する対応力向上研修を実施することとしております。また、同センターについては、人件費を除く運営費等はここ数年一億円程度で推移しているほか、職員については、平成二十八年四月に常勤医師一名、看護師二名、心理士一名を増員するなど、必要な配置に努めてきたところであります。  次に、年金の受給資格期間短縮についてであります。  日本年金機構においては、本年二月末から七月上旬にかけて、新たに受給対象となった約六十七万六千人に年金請求書を送付しており、そのうち、本県分は約一万一千人と聞いております。  また、広報については、国と機構において、新聞を活用した政府広報等による情報発信を行っているほか、ポスター、リーフレット等を作成し、市町村へ配布を依頼するなど、広く県民への周知がされていると聞いております。  高額療養費等の見直しに係る対象者数についてであります。  七十歳以上の高額療養費は、本年八月から、一月当たり上限額が引き上げられた一方で、新たに、年間の上限額が設けられたところであります。本年七月末現在、県内の市町村国保及び後期高齢者医療制度の被保険者六十七万九千百二十三人のうち、見直しの対象者は十七万七千四百十五人であります。  また、七十五歳以上の後期高齢者の保険料は、本年四月から、所得割の軽減率と、協会けんぽなど被用者保険の被扶養者であった方に対する均等割の軽減率が引き下げられたところであります。本年七月一日現在、県内の後期高齢者医療制度の被保険者二十六万七千九百六十七人のうち、対象者は三万七千八百七十人であります。  なお、収入が国民年金のみの世帯など低所得者の世帯の場合には、今回の見直しの影響は受けず、負担増は生じないこととなっております。  介護人材確保の現状と今後の取り組みについてであります。  介護人材確保対策については、就職面談会の実施、若手介護職員を活用した介護職の魅力を広く伝える取り組み、介護事業所におけるキャリアパスの構築支援などに取り組んでおります。  介護福祉士養成施設の学生に対する修学資金の貸し付けについては、外国人留学生も対象としているところであります。また、今年十一月一日から、外国人技能実習制度へ介護職が追加され、外国人の方が介護職として働ける範囲が広がることとなっております。  県としては、こうした状況も踏まえ、今後とも、県介護人材確保対策検討会の意見をお聞きしながら、関係団体等とも連携して、介護人材の確保に努めてまいります。 54 ◯教育長(古川仲二君)高校の募集定員についてであります。  進路希望状況調査において、希望者数が定員に満たない学校が多くなっていることにつきましては、一学年三学級以下の小規模校が公立高校全体の四割にまでふえたこと、募集定員の削減が即学科自体の廃止になる場合もあるなど、生徒数の減少に応じて募集定員を減らすことが容易でないことが主な要因であると考えております。  募集定員の策定に当たりましては、学区ごとに普通科系と専門系の学科の選択肢を提供するという基本的な考え方のもと、中学校等卒業予定者の進路希望状況、地域、学校等の実態等を考慮するとともに、将来の生徒数の推移等を総合的に勘案しながら、策定することにいたしているところでございます。  次に、楠隼中学校・高等学校の位置づけについてであります。  楠隼については、二十一世紀を生き抜く創造的知性を育む教育、鹿児島・大隅の地域特性を生かした全人教育、地域とつながり、地域に愛される学校というコンセプトのもと、県立初の中高一貫教育校として開校三年目を迎えているところでございます。
     楠隼が今後さらに評価を高め、子供たちや保護者から選ばれる学校となってほしいと思っているところでございますが、さまざまな分野で成果を上げ、楠隼の文化や伝統をつくり上げていくのには一定程度の期間を要するものと考えておりまして、県教委といたしましては、今後とも引き続き、楠隼の特色ある教育等が中学生やその保護者に周知されるよう、積極的な広報活動に取り組むとともに、同校の教育内容のさらなる充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、県内公立高校への設備科の設置についてであります。  設備科については、過去、頴娃高校に設備工業科を設置いたしておりましたが、設備工業関連学科は全国的に減少傾向にあり、また、同校の入学者が減少いたしましたため、平成二十一年度から募集を停止したところでございます。  現在、本県の十五校三十四学科、これはいずれも専門高校でございますが、において、管工事施工管理技士の資格取得に関し、実地試験の前提となる実務経験期間の短縮を受けることのできる学科に指定されておりまして、県教委といたしましては、各学校に対し、生徒の管工事業への興味、関心を深めるとともに、適切な進路指導が行われるよう指導いたしているところでございます。  今後とも、生徒の管工事業への理解を深め、就業の契機となるよう、管工事事業者等との連携に努めてまいりたいと考えております。 55 ◯県民生活局長(中山清美君)自転車条例の啓発等の取り組みについてでございます。  県においては、条例施行後、各季の交通安全運動や各種会議などの機会を通じた広報や、保護者等への周知等をお願いしてきたほか、五月と八月に、関係機関・団体や県内全ての小・中学校にチラシを配布し、さらには、知事や関係議員も参加の上、啓発イベントを実施するなど、さまざまな周知啓発を進めてきたところであります。これまで、十月一日の全面施行に向け、小・中学校関係者やその保護者等に対し、重点的に周知啓発を行ってきたところです。  自転車保険の加入義務などは全ての自転車利用者が対象でありますことから、県警察とも連携しながら、秋の全国交通安全運動に合わせたキャンペーンや広報媒体の活用など、引き続き、県民全ての方々への周知啓発に取り組んでまいります。  アンケートの実施や市町村との連携による啓発についてであります。  県においては、さまざまな周知啓発を行っておりますが、アンケートを実施しながら啓発していくことも有効な方法と考えております。今後、交通安全フェアなどの機会を捉えて、アンケートの実施なども検討してまいります。また、市町村に対しては、これまで、広報誌への掲載やチラシによる広報啓発などをお願いしており、今後も、のぼりを配布するなどして交通安全運動期間などに活用していただくこととしております。  県としては、引き続き市町村と緊密に連携しながら、条例の周知啓発に努めてまいります。  警察に届け出ない性犯罪被害者への医療費等の支援についてであります。  性犯罪等の被害に遭われた方については、精神的なショックや羞恥心などから、警察への相談をためらう方がいることも認識しております。FLOWERでは、県、県警、かごしま犯罪被害者支援センター、県産婦人科医会の四者が連携し、こうした被害者の方々に対する必要な支援を実施しているところであります。  今年度、内閣府において、専門のコーディネーターを配置した相談拠点を設置することにより、警察に相談しない被害者の医療費等の公費負担事業を補助対象とする交付金が創設されたところであります。  県といたしましては、御指摘も踏まえ、よりよい支援のあり方について検討してまいります。 56 ◯警察本部長(河野 真君)自転車の取り締まり状況についてであります。  県警察では、かごしま自転車条例の啓発を図るため、九月八日、県下全警察署管内で一斉取り締まりを実施したところであります。ヘルメット着用等の指導や条例の周知を図るチラシ配布などを実施し、県全体では、自転車同士の並進等で百九十七人に警告書を交付し、指導を行っております。  今後も、一時不停止など、事故に直結する違反の取り締まりを重点に実施するとともに、さまざまな広報媒体を活用し、自転車の安全な利用の広報啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、性犯罪に関する相談件数等についてであります。  県警察では、受理した性犯罪に関する相談件数は、平成二十八年中は三百三件、平成二十九年中は八月末で百二件であります。また、県警察では、性犯罪被害者に対して、初診料や緊急避妊料等を公費負担しており、平成二十八年中は十二件、約十九万円、平成二十九年八月末で十八件、約二十四万円を支出しております。  今後も、関係機関等と緊密に連携し、本制度を積極的に活用するなど、性犯罪被害者の支援に努めてまいりたいと考えております。    [松田浩孝君登壇] 57 ◯松田浩孝君 それぞれ御答弁いただきました。  知事、マニフェストの進捗状況については、よりわかりやすく、また明年以降、表示、説明していただきたい。内容の見直しについても、また御検討いただきたいと思います。  喜界島の災害では、視察しましたが、ピンポイントの被害もありました。周りの家は何ともないのに、県道沿いの二軒だけが床上浸水の被害も視察しました。広域な災害では激甚指定を受け、生活の支援等も厚くあります。被災された方にとってみれば、たとえ一軒でも大きな被害であります。被災者の生活支援等の検討も要請しておきます。  公立学校のトイレの洋式化については、さまざまな意見があるということもお聞きしますけれども、家庭用のトイレのほとんどが洋式になった今、喫緊の課題であります。児童生徒たちが我慢して帰宅するともお聞きします。対策をお願いしておきます。  停電が命取りにつながる在宅の難病患者のための自家発電装置の貸し出し補助事業については、予算の関係もあると思いますけれども、東京は、まず関係者の聞き取り調査から入ったようでございます。そういう意味では、必要度の調査を始めていただきたいと御要望申し上げます。  民泊については、今後、国も省令等で方針を出すということでありますけれども、県としても、先に回った対策を具体的にやるということも検討していただきたいと思います。省令が出て条例を考えるという順番ではなく、県として問題意識をどこに持つかということを強く持っていただきたいと思っております。  国保新制度移行については、申し上げたとおり、市町村と連携して進めているはずなのに、マスコミを通すと、半数の市町村から、来年の保険料水準が上がるという返事になります。心配になります。しっかりこれは連携して取り組んでいただきたいと申し上げます。  発達障害児等の子供たちの将来に向けたかかわり方を検討するケース会議をより充実するためには、個人情報の管理についてこれまで以上に気をつけなければなりません。迅速で丁寧な対応を要請しておきます。  就労移行支援、就労継続支援A・B、また障害児通所支援、放課後等デイサービスの事業所については、偏在と質の課題があります。また、それらを統括する県こども総合療育センターの充実・強化について強く訴えておきます。  今議会において、来年四月より、喜界高校と屋久島高校の校内に特別支援学校高等部支援教室を設置するとの発表に、県議会政策立案推進検討委員会で議論し、政策提言づくりにかかわった一人として大変うれしく、また、離島の当事者や保護者も大変喜ばれると思います。  その上で、教育長に一言申し上げます。  中教審の報告には、「インクルーシブ教育においては、同じ場でともに学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児・児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要」とあります。  私も一保護者でありますが、限りなく本人や保護者の要望に沿う姿も大事でありますが、教育のプロとして、その生徒の自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に指導を提供できる体制を整備していただきたい。大事な高校三年間です。社会に出たときのスキルアップにつながる教育をするためには、本校の大島養護、中種子養護の環境が合う場合もあると想定します。この支援教室に入学した生徒が、ぜひ二年次は本校の大島養護、中種子養護に行きたいと思うような指導を展開していただきたいと申し上げます。  「北朝鮮にリアルな危険はない」と野党幹部が強言を吐いたことを覚えていますでしょうか。平和安全法制を戦争法とネーミングして、国民の不安をあおりにあおってきました。  北朝鮮は、相次ぐミサイル発射で国連安保理決議等、世界から非難を受けております。今になって「厳しく抗議する」と発言されても、無責任だと言われても仕方がありません。「解散しろ」と公言しておきながら、いざ解散すると、大義がないと騒ぐ。  衆議院選挙は、政権選択の選挙であります。核を持ち、ミサイルが日本国上空を通過する現実をどう捉えているのか。日米安保条約を否定し、非武装中立や自衛隊を違憲として認めないで国民をどう守るのか。各党の党是を明確にし、国民に選択を求めるべきであります。  我々公明党は、責任ある与党としてしっかり戦ってまいる決意を申し上げ、質問を終わります。(拍手) 58 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 59    △ 日程報告 ◯議長(柴立鉄彦君)九月二十五日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問及び請願・陳情の委員会付託であります。       ───────────── 60    △ 散  会 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十六分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...